国の統計にあるのは「理容・美容師」。
自分の数字は、式で出せます。
「アイリストの平均年収は、だいたい300万円くらい」
検索すると、こういう数字がいくつも出てきます。250万円から370万円、首都圏なら350万円。どれも具体的なのですが、出どころが書かれていません。
国の統計にはアイリストという区分がありません。
この記事では、出典のある数字だけを並べます。そのうえで、自分の年収を自分で出す式をお渡しします。
この記事で言いたいこと
国の統計に「アイリスト」という職種区分はありません。あるのは「理容・美容師」で、年収388.5万円です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」)。
ネットで見かける「アイリストの平均年収」は、求人サイトに掲載された求人を集計した数字か、出どころが書かれていない数字のどちらかでした。中には10年前のデータを今も載せている記事もあります。
だから平均を見ても、自分がいくらになるかは分かりません。分かるのは、式に自分の数字を入れたときだけです。
この記事の内容
厚生労働省が出している職業情報提供サイトで「美容師」を引くと、次の数字が載っています。どれも出典が明記されている数字です。
出どころは、年収・平均年齢が厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(職種の区分は「理容・美容師」)、就業者数が「令和2年国勢調査」、求人賃金と有効求人倍率がハローワークの求人統計データ(令和7年度)です。
ただし、この388.5万円は「理容・美容師」の数字です。
ヘアの美容師も理容師も、店長や幹部も全部入っています。まつげや眉毛だけを担当している人の数字ではありません。目安として見る以上のことはできません。
調べてみると、出どころは3種類に分かれました。
どれも嘘を書いているわけではありません。ただ、自分の年収を決める材料には使えません。
アイリストの年収は、次の3つの掛け算でほぼ決まります。
1と2は自分の技術と予約枠の話です。予約枠の見方はアイリストのパート求人、何を見て選ぶ?に書いています。
3つ目の「受け取り方」が、働き方によって変わります。ここが分かっていないと、同じ売上でも年収が変わります。
雇われて働く形は「時間」で決まり、業務委託とシェアサロンは「売上」で決まります。正社員もパート(アルバイト)も、時間で決まるという点では同じです。違うのは時間の長さと、月給か時給かだけです。詳しい比較はシェアサロンと業務委託、アイリストはどっちがいい?にまとめています。
平均の数字が使えるのは、ここだけです。美容師の388.5万円はアイリスト単独の数字ではありませんが、目標の目安としてなら置けます。この額に届くには働き方ごとに何が必要になるかを、逆算してみます。
美容師の388.5万円 ÷ 12か月 = 月に約32.4万円。これを受け取るために必要な数字です。
ここで分かることが2つあります。
上の数字は説明のための例です。
客単価も時給も率も席代も、お店によって違います。収入を約束するものではありません。大事なのは「自分の数字で同じ計算ができること」だけです。
シェアサロンの場合は、売上にならない時間も分母に入れる必要があります。そこはシェアサロンにすると、アイリストの収入は増える?で計算しています。
さきほどの表にあった美容師の有効求人倍率5.06(令和7年度)は、求人が約5件あるのに対して、探している人が1人という意味です。
これが意味すること
選ぶ側にいるのは、お店ではなく働く人のほうです。
だから年収の数字をあわてて追う必要はありません。客単価・予約枠・受け取り方の3つを、何店か並べて比べる余裕があります。
この3つ以外にはありません。年数が増えれば自動的に上がる、ということはないのが正直なところです。
ここからは、私たちのお店の話です。
私たちはまつげパーマと眉毛アイブロウに特化した1店舗で、4席・全席半個室です。当店で選べる働き方は、次の3つです。受け取り方がそれぞれ違います。
年数ではなく、できる施術の数で時給を決めています。ブランクがあっても、できる施術が多ければその分で見ます。
働き方は1か月前の申し出で切り替えられます。パート(アルバイト)で始めて、お客様が増えてから業務委託やシェアサロンに移ることもできます。現場の責任者はアイリスト歴18年・延べ3万人を担当してきた長谷川明代です。
見学のときに、一緒に計算します。
いまの客単価と本数を教えていただければ、3つの働き方でそれぞれいくらになるかをその場で出します。数字を見て「いまは移らないほうがいい」と出たら、そうお伝えします。
アイリストの平均年収はいくらですか?
国の統計に「アイリスト」という職種区分はありません。したがって「アイリストの平均年収」という公式な数字は存在しません。もっとも近いのは美容師の数字で、年収388.5万円です(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の職種区分「理容・美容師」)。これはヘアの美容師も理容師も、店長や幹部も含んだ額なので、アイリストの年収として読まないでください。
ネットで見る「アイリストの平均年収300万円」などの数字は何ですか?
3種類に分かれます。求人サイトに掲載された求人を集計したもの、出どころが書かれていないもの、10年前の集計をそのまま載せているものです。嘘ではありませんが、自分の年収を決める材料には使えません。
自分の年収はどう計算すればいいですか?
客単価・本数・受け取り方の3つの掛け算でほぼ決まります。客単価と本数は自分の技術と予約枠の話です。受け取り方は働き方で変わり、雇われて働く形(正社員・パート・アルバイト)は時間で決まる形、業務委託は技術売上に率を掛ける形、シェアサロンは売上から席代と材料費を引く形です。
美容師の平均年収388.5万円に届くには、何本やればいいですか?
月に約32.4万円を受け取る計算になります。客単価8,000円で月20日出勤とすると、業務委託(売上の60%)なら約68本、シェアサロン(席代14万円・材料費4万円)なら約63本です。雇われて働く形は時給1,400円換算で約231時間が必要で、これはフルタイムに近い時間です。週2〜3日のパート(アルバイト)では届きません。※説明のための仮の数字です。
パート(アルバイト)では年収を上げられませんか?
時間で決まる形なので、週2〜3日なら年収を上げる働き方ではありません。パート(アルバイト)は「時間を選ぶ働き方」です。曜日や日数を決めて働きたい場合に向いています。年収を増やしたい場合は、フルタイムにするか、売上に連動する形に変えるほうが近道です。
アイリストの有効求人倍率はどれくらいですか?
アイリスト単独の数字はありません。美容師では5.06です(ハローワーク求人統計データ・令和7年度)。求人が約5件に対して探している人が1人という意味で、選ぶ側にいるのは働く人のほうです。年収の数字をあわてて追わず、客単価・予約枠・受け取り方を何店か並べて比べる余裕があります。
年収を上げる方法は何がありますか?
3つしかありません。客単価を上げる、1日に入る本数を増やす、受け取り方を変える、です。本数は自分の速さだけでは決まらず、1枠を何分で区切っているか、1日に何枠あるかはお店が決めています。面接で必ず確かめてください。
CALM TOKYO 恵比寿本店の条件は?
当店で選べる働き方は3つです。パート(アルバイト)は時給1,300〜1,500円で、年数ではなくできる施術の数で決めています。業務委託は技術売上の60%・固定費0円・材料費は店の負担で、指名とフリーで率を変えません。シェアサロンは席代のみで6万〜20万円(税別)です。働き方は1か月前の申し出で切り替えられます。
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代官山駅から徒歩2分、恵比寿駅から徒歩5分。
パート・業務委託・シェアサロンの3つから選べます。
数字を見て「いまは移らないほうがいい」と出たら、そうお伝えします。
※ 記載の内容は2026年10月時点のものです。当店の条件は税別、条件はサロンごとに異なります。
※ 統計の出典は、年収と平均年齢が厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、就業者数が「令和2年国勢調査」、求人賃金と有効求人倍率がハローワークの求人統計データ(令和7年度)です。いずれも美容師(賃金は職種区分「理容・美容師」)の数字で、アイリスト単独の統計ではありません。国の統計に「アイリスト」という職種区分は存在しません。
※ 本文中の計算例は説明のための仮の数字です。収入を約束するものではありません。税や社会保険の扱いには触れていません。必要な場合は専門家にご確認ください。