内見って、何を見ればいいんでしょうか。
行ってはいるんですけど、部屋を見て「きれいだな」で終わってしまって。
最初はそれで普通です。私も1件目はそうでした。
ただ、20件目に見ていたところは、1件目とまるで違いました。
その「違い」を、先に教えてほしいです。
20件も見る時間がないので……。
それがこの記事です。
私が最後に見ていた30項目を、そのまま出します。印刷して持っていってください。
この記事の内容
決めた部屋には、契約する前に3回行きました。
「この部屋がありなのか」を見る回。
広さ、日当たり、建物、道。ここで切れる部屋は、この1回で切ります。
「この部屋が店になるのか」を見る回。
工事ができるか、電気が足りるか。ここが本番です。
そして3回目。これは、最終確認のために行きました。
3回も見せてもらえるものなんですか?
言えば見せてもらえます。言わないと1回で終わります。
相手も、決まらない部屋を何度も案内したくはありません。だから「本気で検討しているので、もう一度見せてください」と伝えてください。
1回目で決めないでください。1回目に見えているのは、部屋のきれいさだけです。店になるかどうかは、2回目にしか分かりません。
特別なものは要りません。私が実際に持っていったのは、この5つです。
方位磁石は持っていきませんでした。
方角は図面と地図で分かります。それより「その時間に、実際どれくらい光が入るか」を自分の目で見たほうが早いです。
20件以上見ていると、部屋に入る前に切れる物件が出てきます。私が最後のほうで使っていた基準は、この6つでした。
この6つは、部屋の中を見る前に判断できます。だから最初に見ます。
「建物の中の空気」って、どういうことですか。
うまく言えないんですが、入った瞬間に分かります。
共用部が荒れている、掲示物が古い、においがこもっている。お客様は、部屋に入る前にその建物を通ります。そこで決まってしまう部分があります。
エレベーターは、私にとっては絶対でした。うちのターゲットは40代以上で、60代以上のお客様も多くいらっしゃいます。1ヶ月に1度、何年も通っていただくお店で、毎回階段を上がってもらうのは無理だと思いました。
ただしこれは私の好みではなく、ターゲットが決めたことです。親記事のこの部分に書きました。
部屋だけを見て帰らないでください。お客様は、部屋にたどり着くまでに道を歩きます。
夜は、必ず一度歩いてください。
昼に見て「いい場所だ」と思った道が、夜になると人通りがなくて暗い、ということがあります。まつげサロンは、仕事帰りの時間に来ていただくお店です。
ここからが部屋の中です。うちはマンションの一室なので、テナントとは見るところが違います。
エアコンは、そんなに大事ですか?
私はここで一度、痛い目を見ました。
「ついています」と言われて安心していたんですが、何年前のものか、どの位置についているか、店として使えるかは、全部別の話でした。
結果として、入居前の交換はしてもらえませんでした。この話は、次の「申込から契約まで」の記事に書きます。
正直に書きます。私は、分電盤を自分で読めません。
え、でも「電気の容量を見る」って書いてありましたよね。
見るのは、内装業者さんです。
私がやったのは、読める人を内見に連れて行くことだけです。それで十分でした。
物件を決める前に、内装業者さんを見つけておく。
順番としては、これが正しいです。
連れて行くと、こうなります。
間仕切りを入れられるか、照明を動かせるか、コンセントを足せるか。持ち帰らずに、その場で判断してもらえます。
分電盤、配管、天井の高さ、床の状態。私が見ていなかったところを、必ず見ていました。
「一緒に見てもらってよかった」と思う場面が、何回もありました。
ここが、いちばん書きたかったところです。
契約には至らなかったのですが、途中まで進んで、やめた物件があります。
原状回復に、500万円かかると言われたからです。
500万……。出るときに、ですか?
出るときにです。
その物件は、退去のときに、ほぼスケルトンに戻す条件でした。お風呂をなくしたりもしていたので、元に戻す工事のほうが大きくなるんです。
入るより出るときのほうが高いなら、やめようと思いました。
これは、内見のときには見えません。聞かないと出てこない数字です。
内装業者さんを内見に連れて行くと、この2つ目がその場で聞けます。これが大きいです。
原状回復は、契約書に条件が書かれています。ただ、書いてあるのは「どこまで戻すか」であって、「いくらかかるか」は書いてありません。金額は、自分で確かめるしかありません。
正直に言うと、私はあまり撮っていませんでした。妻と2人で見に行っていたので、その場で話して終わっていたんです。
ただ、「これはいいな」と思った物件と、契約に進んだ物件だけは、一通り撮りました。あとから効いたのは、この撮り方です。
写真の本当の役目は、「その場の高揚感から離れて見直す」ことだと思います。
いい部屋を見た直後は、冷静ではありません。家に帰って写真を見ると、見えていなかったものが見えます。
ここまでの内容を、そのまま持っていける形にまとめました。
最後の2つは、電卓でその場で出せます。家賃の考え方は、このSTEPの3本目に書きます。
内見は、何回行けばいいですか?
本命の物件なら、最低2回です。私は3回行きました。1回目は不動産屋さんと「この部屋がありか」を見て、2回目は内装業者さんと「店になるか」を見ます。1回目で決めないでください。1回目に見えているのは、部屋のきれいさだけです。
内見に、誰か連れて行ったほうがいいですか?
内装業者さんを連れて行ってください。私はこれに何度も助けられました。「この工事はできますか」をその場で聞けるかどうかで、判断のスピードがまるで変わります。物件を決める前に内装業者さんを見つけておくのが、正しい順番です。
分電盤を見ても、何が書いてあるか分かりません。
分からなくて大丈夫です。私も読めません。読めるのは内装業者さんです。自分でやることは2つだけ。「分電盤を見せてください」と言うことと、写真を撮っておくことです。あとで送れます。
持ち物で、これだけは、というものはありますか?
メジャー・図面・スマホ・電卓、そしてスリッパです。スリッパは地味ですが、空室は土足禁止のことが多く、靴下のままだと落ち着いて見られません。方位磁石は持っていきませんでした。方角は図面と地図で分かります。
エアコンは「ついています」と言われたら安心していいですか?
いいえ。「ついています」と「店として使えます」は別の話でした。何年前のものか、どの位置についているか。私はここで一度痛い目を見ています。型番を撮っておいてください。年式が分かります。
原状回復のことは、いつ聞けばいいですか?
内見のうちに聞いてください。契約書には「どこまで戻すか」は書いてありますが、「いくらかかるか」は書いてありません。私は、原状回復に500万円かかると言われた物件を見送りました。入るときより出るときのほうが高い物件は、実在します。
写真は、どこを撮っておけばいいですか?
四隅からの全体・分電盤・エアコンの型番・コンセントの位置・建物の入口と部屋の前。この5つです。写真の本当の役目は、その場の高揚感から離れて見直すことだと思っています。いい部屋を見た直後は、冷静ではありません。
マンションの一室でも、店として使えますか?
管理規約で店舗としての使用が認められているかが最初です。ここがダメなら、他が全部よくても進めません。規約でOKでも貸主が嫌がることがあるので、不動産会社に確認してもらってください。そのうえで、美容所として開設できるかは所轄の保健所への確認が必要です。図面を持って早めに相談に行ってください。
1. 本命なら2回、私は3回見に行った。1回目で決めない
2. 持ち物はメジャー・図面・スマホ・電卓・スリッパ。方位磁石は要らなかった
3. 部屋に入る前に切れる6つ(距離・外観・EV・階段・空気・騒音)から見る
4. お客様が通る道を歩く。夜も歩く
5. 部屋の中は管理規約と貸主の了解が最初。ここがダメなら進めない
6. 分電盤は自分で読めなくていい。読める人を連れて行く
7. 物件を決める前に、内装業者さんを見つけておく
8. 「入るとき」より「出るとき」を先に聞く。私は原状回復500万円で1件見送った
9. 写真は四隅・分電盤・エアコンの型番・コンセント・建物の入口
10. 写真は高揚感から離れて見直すために撮る
「出るときを先に聞く」は、まったく考えていませんでした。
次の内見、印刷して持っていきます。
それでいいと思います。紙があると、聞き忘れません。
そして、この30項目が全部クリアできる部屋は、たぶんありません。どれを妥協するかを、先に決めておいてください。
この記事は、私自身が2024年から2025年にかけて恵比寿で1店舗を開業した経験をもとに書いています。物件を営業に使えるかどうか、必要な設備要件は物件ごと・地域ごとに異なります。管理規約・貸主の了解については不動産会社に、美容所としての開設要件については所轄の保健所に、工事の可否については内装業者に、契約条件については宅地建物取引士のいる不動産会社にご確認ください。原状回復の費用は物件・契約内容によって大きく変わります。

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