CALM TOKYO開業ロードマップ
まつげサロン開業ロードマップ03 物件この記事
PHASE 1STEP 03の詳しい記事

内見チェックリスト
その場で見る30項目

20件以上見て、最後に決めた部屋。
そのとき何を見ていたかを、全部出します。

この記事の親まつげサロンの物件探し|1年で20件見て、最後に決めたこと
アイリストさん

内見って、何を見ればいいんでしょうか。

行ってはいるんですけど、部屋を見て「きれいだな」で終わってしまって。

阿部

最初はそれで普通です。私も1件目はそうでした。

ただ、20件目に見ていたところは、1件目とまるで違いました。

その「違い」を、先に教えてほしいです。

20件も見る時間がないので……。

それがこの記事です。

私が最後に見ていた30項目を、そのまま出します。印刷して持っていってください。

この記事の内容

  1. 内見は、1回では終わりません
  2. 持っていったもの
  3. その部屋を、一発で切った6つ
  4. お客様が通る道を、歩いてみる
  5. 部屋の中で見るところ
  6. 分電盤は、自分で読めなくていい
  7. 「入るとき」より「出るとき」を先に聞く
  8. 写真は、あとで効きます
  9. チェックリスト・30項目
  10. よくある質問
  11. まとめ

内見は、1回では終わりません

決めた部屋には、契約する前に3回行きました。

1回目|不動産屋さんと

「この部屋がありなのか」を見る回。

広さ、日当たり、建物、道。ここで切れる部屋は、この1回で切ります。

2回目|内装業者さんと

「この部屋が店になるのか」を見る回。

工事ができるか、電気が足りるか。ここが本番です。

そして3回目。これは、最終確認のために行きました。

3回も見せてもらえるものなんですか?

言えば見せてもらえます。言わないと1回で終わります。

相手も、決まらない部屋を何度も案内したくはありません。だから「本気で検討しているので、もう一度見せてください」と伝えてください。

1回目で決めないでください。1回目に見えているのは、部屋のきれいさだけです。店になるかどうかは、2回目にしか分かりません。

持っていったもの

特別なものは要りません。私が実際に持っていったのは、この5つです。

メジャーベッドが入るか、動線が取れるか。「たぶん入る」は入りません。測ってください。
図面不動産屋さんからもらえます。その場で書き込むために持っていきます。
スマホ写真とメモ。撮る場所は決めておきます後半)。
電卓坪数と家賃、そして1席あたりいくらになるかをその場で出すためです。
スリッパこれが地味にあると助かります。空室は土足禁止のことが多く、靴下のまま歩くことになります。落ち着いて見られません。
持っていかなかったもの

方位磁石は持っていきませんでした。
方角は図面と地図で分かります。それより「その時間に、実際どれくらい光が入るか」を自分の目で見たほうが早いです。

その部屋を、一発で切った6つ

20件以上見ていると、部屋に入る前に切れる物件が出てきます。私が最後のほうで使っていた基準は、この6つでした。

これに当たったら、その場で終わり6つ
  • 駅からの距離 通いつづけてもらえる距離か
  • 外観 建物の入口で、来てもらえるかどうかが決まる
  • エレベーターがない うちは、ここだけは譲りませんでした
  • 急な階段 1回なら平気でも、毎月は通えません
  • 建物の中の空気 入った瞬間に分かります
  • 騒音 外から、そして上下左右から

この6つは、部屋の中を見る前に判断できます。だから最初に見ます。

「建物の中の空気」って、どういうことですか。

うまく言えないんですが、入った瞬間に分かります。

共用部が荒れている、掲示物が古い、においがこもっている。お客様は、部屋に入る前にその建物を通ります。そこで決まってしまう部分があります。

エレベーターは、私にとっては絶対でした。うちのターゲットは40代以上で、60代以上のお客様も多くいらっしゃいます。1ヶ月に1度、何年も通っていただくお店で、毎回階段を上がってもらうのは無理だと思いました。
ただしこれは私の好みではなく、ターゲットが決めたことです。親記事のこの部分に書きました。

お客様が通る道を、歩いてみる

部屋だけを見て帰らないでください。お客様は、部屋にたどり着くまでに道を歩きます。

部屋の外で見るところ6つ
  • 駅からの道順 迷わずに来られるか。曲がる回数は少ないか
  • 建物のエントランス 入るときに迷わないか
  • エレベーターと廊下 他の住人の方の動線と重ならないか
  • 部屋の前 ここで「合っているか」が分かる状態か
  • 夜の雰囲気 昼と夜では、街の顔が違います
  • まわりのお店 どんな人が歩いている時間帯か

夜は、必ず一度歩いてください。

昼に見て「いい場所だ」と思った道が、夜になると人通りがなくて暗い、ということがあります。まつげサロンは、仕事帰りの時間に来ていただくお店です。

部屋の中で見るところ

ここからが部屋の中です。うちはマンションの一室なので、テナントとは見るところが違います。

部屋に入って見るところ10項目
  • 管理規約で、店舗としての使用が認められているか ここがダメなら他が全部良くても進めません
  • 貸主が、店として使うことを了解しているか 規約でOKでも、貸主が嫌がることがあります
  • 保健所の要件を満たせそうか 図面を持って、早めに相談に行ってください
  • 電気の容量 分電盤を見せてもらいます(次の項
  • 給排水の位置 シャンプー台を置かなくても、手を洗う場所は要ります
  • 天井の高さと、床の状態 照明と間仕切りの前提になります
  • 換気 薬剤を使う部屋です。窓が開くか、換気扇があるか
  • エアコンの位置と、年式 「ついています」と「使えます」は別の話でした
  • コンセントの数と位置 ワゴンをどこに置くかで、必要な場所が変わります
  • 看板が出せるか 出せないなら、集客の計画を組み直します

エアコンは、そんなに大事ですか?

私はここで一度、痛い目を見ました。

「ついています」と言われて安心していたんですが、何年前のものか、どの位置についているか、店として使えるかは、全部別の話でした。

結果として、入居前の交換はしてもらえませんでした。この話は、次の「申込から契約まで」の記事に書きます。

マンションの一室に立てた間仕切り壁。天井まで届かない高さで、施術スペースを半個室に分けている
うちが入れた間仕切りです。「この壁を立てられるかどうか」は、内見のときに聞いておくことでした。契約後に「できません」となると、店の形が変わります。

分電盤は、自分で読めなくていい

正直に書きます。私は、分電盤を自分で読めません。

え、でも「電気の容量を見る」って書いてありましたよね。

見るのは、内装業者さんです。

私がやったのは、読める人を内見に連れて行くことだけです。それで十分でした。

この記事でいちばん言いたいこと

物件を決める前に、内装業者さんを見つけておく。
順番としては、これが正しいです。

連れて行くと、こうなります。

その場で「できる/できない」が分かる

間仕切りを入れられるか、照明を動かせるか、コンセントを足せるか。持ち帰らずに、その場で判断してもらえます。

見えないところを見てくれる

分電盤、配管、天井の高さ、床の状態。私が見ていなかったところを、必ず見ていました。

「一緒に見てもらってよかった」と思う場面が、何回もありました。

CALM TOKYO 新装工事の天伏図。照明とコンセントの位置が記され、余白に手書きの要望が書き込まれている
実際の図面です。余白に手書きで要望を書いています。「施術者の右か左にワゴンを置くので、コンセントを施術者の後ろあたりに欲しい」。この一言が言えるかどうかは、内見のときに動線を見ていたかどうかで決まります。

「入るとき」より「出るとき」を先に聞く

ここが、いちばん書きたかったところです。

契約には至らなかったのですが、途中まで進んで、やめた物件があります。

やめた理由

原状回復に、500万円かかると言われたからです。

500万……。出るときに、ですか?

出るときにです。

その物件は、退去のときに、ほぼスケルトンに戻す条件でした。お風呂をなくしたりもしていたので、元に戻す工事のほうが大きくなるんです。

入るより出るときのほうが高いなら、やめようと思いました。

これは、内見のときには見えません。聞かないと出てこない数字です。

出るときのことを、内見のうちに聞く3つ
  • 退去のとき、どこまで戻すのか 不動産屋さんに聞きます
  • その工事は、いくらかかりそうか 内装業者さんに概算で聞いておきます
  • 造作を残せるのか 残せるなら、費用の前提が変わります

内装業者さんを内見に連れて行くと、この2つ目がその場で聞けます。これが大きいです。

原状回復は、契約書に条件が書かれています。ただ、書いてあるのは「どこまで戻すか」であって、「いくらかかるか」は書いてありません。金額は、自分で確かめるしかありません。

写真は、あとで効きます

正直に言うと、私はあまり撮っていませんでした。妻と2人で見に行っていたので、その場で話して終わっていたんです。

ただ、「これはいいな」と思った物件と、契約に進んだ物件だけは、一通り撮りました。あとから効いたのは、この撮り方です。

四隅から部屋全体4方向から1枚ずつ。あとで図面と見比べるときに、これが要ります。
分電盤読めなくていいので、撮っておきます。あとで内装業者さんに送れます。
エアコンと、その型番年式が分かります。「ついています」の中身を確かめるための1枚です。
コンセントの位置数と高さ。ワゴンの電源をどこから取るかは、あとで必ず問題になります。
建物の入口と、部屋の前お客様が最初に見る景色です。あとで写真を見ると、冷静に判断できます。

写真の本当の役目は、「その場の高揚感から離れて見直す」ことだと思います。

いい部屋を見た直後は、冷静ではありません。家に帰って写真を見ると、見えていなかったものが見えます。

チェックリスト・30項目

ここまでの内容を、そのまま持っていける形にまとめました。

1部屋に入る前に切れるもの6
  • 駅からの距離
  • 建物の外観
  • エレベーターの有無
  • 階段の角度
  • 建物の中の空気・共用部の状態
  • 騒音(外/上下左右)
2お客様が通る道6
  • 駅からの道順(曲がる回数)
  • 建物のエントランス
  • エレベーターと廊下(住人の動線)
  • 部屋の前
  • 夜の雰囲気
  • まわりのお店・歩いている人
3部屋の中10
  • 管理規約(店舗としての使用)
  • 貸主の了解
  • 保健所の要件
  • 電気の容量(分電盤)
  • 給排水の位置
  • 天井高・床の状態
  • 換気
  • エアコンの位置と年式
  • コンセントの数と位置
  • 看板の可否
4工事とお金8
  • 間仕切りを立てられるか
  • 照明を動かせるか
  • コンセントを足せるか
  • 退去のとき、どこまで戻すのか
  • その工事の概算(内装業者さんに)
  • 造作を残せるか
  • 坪単価と、月にほんとうに出ていく額
  • 1席あたり、いくらになるか

最後の2つは、電卓でその場で出せます。家賃の考え方は、このSTEPの3本目に書きます。

よくある質問

内見は、何回行けばいいですか?

本命の物件なら、最低2回です。私は3回行きました。1回目は不動産屋さんと「この部屋がありか」を見て、2回目は内装業者さんと「店になるか」を見ます。1回目で決めないでください。1回目に見えているのは、部屋のきれいさだけです。

内見に、誰か連れて行ったほうがいいですか?

内装業者さんを連れて行ってください。私はこれに何度も助けられました。「この工事はできますか」をその場で聞けるかどうかで、判断のスピードがまるで変わります。物件を決める前に内装業者さんを見つけておくのが、正しい順番です。

分電盤を見ても、何が書いてあるか分かりません。

分からなくて大丈夫です。私も読めません。読めるのは内装業者さんです。自分でやることは2つだけ。「分電盤を見せてください」と言うことと、写真を撮っておくことです。あとで送れます。

持ち物で、これだけは、というものはありますか?

メジャー・図面・スマホ・電卓、そしてスリッパです。スリッパは地味ですが、空室は土足禁止のことが多く、靴下のままだと落ち着いて見られません。方位磁石は持っていきませんでした。方角は図面と地図で分かります。

エアコンは「ついています」と言われたら安心していいですか?

いいえ。「ついています」と「店として使えます」は別の話でした。何年前のものか、どの位置についているか。私はここで一度痛い目を見ています。型番を撮っておいてください。年式が分かります。

原状回復のことは、いつ聞けばいいですか?

内見のうちに聞いてください。契約書には「どこまで戻すか」は書いてありますが、「いくらかかるか」は書いてありません。私は、原状回復に500万円かかると言われた物件を見送りました。入るときより出るときのほうが高い物件は、実在します。

写真は、どこを撮っておけばいいですか?

四隅からの全体・分電盤・エアコンの型番・コンセントの位置・建物の入口と部屋の前。この5つです。写真の本当の役目は、その場の高揚感から離れて見直すことだと思っています。いい部屋を見た直後は、冷静ではありません。

マンションの一室でも、店として使えますか?

管理規約で店舗としての使用が認められているかが最初です。ここがダメなら、他が全部よくても進めません。規約でOKでも貸主が嫌がることがあるので、不動産会社に確認してもらってください。そのうえで、美容所として開設できるかは所轄の保健所への確認が必要です。図面を持って早めに相談に行ってください。

まとめ

持ち帰ってほしいこと

1. 本命なら2回、私は3回見に行った。1回目で決めない

2. 持ち物はメジャー・図面・スマホ・電卓・スリッパ。方位磁石は要らなかった

3. 部屋に入る前に切れる6つ(距離・外観・EV・階段・空気・騒音)から見る

4. お客様が通る道を歩く。夜も歩く

5. 部屋の中は管理規約と貸主の了解が最初。ここがダメなら進めない

6. 分電盤は自分で読めなくていい。読める人を連れて行く

7. 物件を決める前に、内装業者さんを見つけておく

8. 「入るとき」より「出るとき」を先に聞く。私は原状回復500万円で1件見送った

9. 写真は四隅・分電盤・エアコンの型番・コンセント・建物の入口

10. 写真は高揚感から離れて見直すために撮る

「出るときを先に聞く」は、まったく考えていませんでした。

次の内見、印刷して持っていきます。

それでいいと思います。紙があると、聞き忘れません。

そして、この30項目が全部クリアできる部屋は、たぶんありません。どれを妥協するかを、先に決めておいてください。

この記事の親にもどるまつげサロンの物件探し|1年で20件見て、最後に決めたこと

この記事は、私自身が2024年から2025年にかけて恵比寿で1店舗を開業した経験をもとに書いています。物件を営業に使えるかどうか、必要な設備要件は物件ごと・地域ごとに異なります。管理規約・貸主の了解については不動産会社に、美容所としての開設要件については所轄の保健所に、工事の可否については内装業者に、契約条件については宅地建物取引士のいる不動産会社にご確認ください。原状回復の費用は物件・契約内容によって大きく変わります。

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阿部弘康

阿部 弘康

株式会社CALM TOKYO 代表取締役
恵比寿でまつげパーマ&眉毛アイブロウサロンを運営

美容業界18年。化粧品メーカーの営業、美容サロン専門の広告会社を経て、サロン専門のコンサルタントとして独立しました。集客に関する書籍を2冊出しています。
2025年、恵比寿に自分たちの店を開きました。技術は、表参道で17年やってきたアイリストの妻が。経営とマーケティングは私が見ています。人の店を見てきた側と、自分で開いた側。その両方から書いています。

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