いい物件が見つかったら、そのあとは何が起きるんですか。
申し込んで、契約して、鍵をもらう。それくらいのイメージしかなくて。
おおまかには合っています。ただ、あいだにもう2つ入ります。
審査が2回あるのと、重要事項説明です。
審査が2回……。
貸主さんの審査と、保証会社の審査です。別のものです。
そして、この記事でいちばん伝えたいのはここです。聞くのは、全部この期間より前。契約のときに聞きはじめると、もう遅いんです。
この記事の内容
まず、一般的な流れです。日数は物件や時期で変わりますので、幅で書きます。
工事は、契約のあとなんですね。
あとです。契約して、家賃を払いながら、工事をしてもらいます。
これが地味に痛いです。売上はまだ1円もありません。でも仕方がない。自分の部屋にならないと、工事はできないからです。
「工事期間中の家賃」は、必ず出ていきます。
私の場合は2〜3週間ぶん。ここを見ていないと、開業前にもう予定が狂います。
正直に書きますが、全部は覚えていません。ただ、はっきり覚えていることが1つあります。
事業計画書の簡易版を出しました。
賃貸の審査に、事業計画書ですか?
そうです。これから開業する人は、実績がありません。
売上の履歴も、決算書もない。だから「何をやる店で、どう成り立たせるのか」を紙で見せるしかないんです。
しかも私は、まだ融資が決まっていない段階で申し込んでいます。
親記事に「断られた3つのパターン」を書きましたが、1つ目は「資金が用意できないと判断されたとき」でした。ここに効いてくるのが、この紙です。
必要書類は物件と不動産会社によって変わります。法人なら登記事項証明書や決算書を求められることもあります。申込の前に「何が要りますか」と聞いてください。そろえるのに日数がかかるものがあります。
ここは、知らないと戸惑うところです。
貸主さんが「貸していいか」を判断します。
何の店をやるか、工事をするか、営業時間。ここが見られます。
保証会社が「保証していいか」を判断します。
こちらはお金の話です。別の会社が、別の基準で見ます。
そして、費用の話です。私が知らなかったのはここでした。
契約のときに初回の保証料。そのあとも、年ごとに更新料がかかります。
毎年、なんですか。
うちはかかっています。金額は契約によって違うので書きませんが、「毎年出ていく固定費が1つ増える」という認識でいてください。
初期費用の表に「保証会社」の行を作っても、それは初回のぶんだけです。
正直に書きます。重要事項説明のとき、私は基本的に黙って聞いていました。
え、意外です。いろいろ質問するものだと思っていました。
あの場で初めて聞く話に、その場で質問はできません。読み上げられるスピードは速いです。
私が質問できたのは、事前に聞いていたからです。
物件を契約する前に、内装業者さんに「まず何を聞くべきか」を聞いていました。
だから重要事項説明のときは、聞く側にまわれた気がします。
ここが分かれ目です。
説明を聞いて、うなずいて、終わります。疑問は、あとから出てきます。そのときにはもう契約しています。
説明が、答え合わせになります。聞いていた話と違うところだけ、その場で確認できます。
事前にきっちり聞くこと。これがいちばん大事だと思っています。聞く相手は、不動産会社だけではありません。工事のことは内装業者さん、美容所の要件は保健所です。重要事項説明の場は、聞く場ではなく確かめる場だと思ってください。
私が見たのは、この7つです。
この7つは、あとから変えられません。
内装は変えられます。メニューも変えられます。契約書だけは、押したあとに変わらないんです。
契約書に書いてあるのは「どこまで戻すか」であって、「いくらかかるか」ではありません。
金額は、内装業者さんに概算で聞いておいてください。私は、原状回復に500万円かかると言われた物件を見送っています。
契約の種類の話です。ここは、はっきり書きます。
普通借家
期間が来たら更新して住みつづけられます。こちらを推します
お店にとってお客様がついたあとも、その場所で続けられます。
定期借家
期間が来たらその年数を過ぎると、出ないといけません。
お店にとってお客様がついていても、期限で終わります。
お客様がついていても、ですか。
そこがいちばん怖いところです。
まつげサロンは、通っていただくお店です。3年、5年とかけてお客様がついた場所から出ることになったら、その積み上げがどうなるか。
だから私は、普通借家の物件をおすすめします。
定期借家が絶対にダメ、という話ではありません。条件がよく、期間も長く、事情が合うならありえます。ただ、それを知らずに契約するのがいちばん危ないという話です。契約書のどこに書いてあるか、必ず確かめてください。
正直なところを書きます。私は、あまり交渉していません。
引渡し日
やったこと交渉というより、「工事が入ります」という事実の説明をしました。通った
結果契約の翌日に引渡し。ここから工事に入れました。
エアコンの交換
やったこと耐用年数を過ぎていたので、入居前に新しくしてほしいと頼みました。
結果断られました。回答は「壊れたら替える」。正直、残念でした。
断られることも、あるんですね。
あります。でも、聞いてよかったと思っています。
断られたおかげで、「壊れたら替えてもらえる」という前提が確認できたからです。何も聞かなければ、それも分かりませんでした。
通らなくても、聞いておく価値があります。
返ってきた答えが、そのままお店の前提になるからです。
余談ですが、入居してすぐ、ガスの点火がうまくいかず修理してもらいました。これは事前には分かりません。入らないと分からないことは、どうしてもあります。
ここは親記事にも書きましたが、大事なので繰り返します。
融資が「決まる」日と、お金が「入る」日は、別の日です。
そして物件の契約金は、お金が入る前に払います。
契約金は、契約日の前に、指定された日までに振り込みます。期限は不動産会社から言われますので、言われたらすぐ動けるようにしておいてください。
私の場合は、生命保険を解約して払いました。
お金が足りなかったからではありません。その契約金を払ったあとに融資が通らなかったら、どうなるかを数えたからです。
おすすめはしません。ただ、「押すかどうか」の前に「落ちたらどうなるか」を数えてほしいとは思っています。
これは、地味ですがやっておいたほうがいいことです。
契約の前後で、「どこが汚れているか」「どこが破損しているか」を写真に撮って提出します。
こんな小さなキズまで、ですか。
出るときに効きます。
原状回復の話になったときに、「これは入る前からありました」と言えるかどうかです。記録がなければ、言えません。
1. 全体が分かる引きの写真 2. 場所が分かるように指を添えた写真
この2枚1組にしておくと、あとで見返したときに分かります。
そしてもう1つ。入居してから「聞いていた話と違う」ことは、そんなに起きませんでした。ただ、細かいことは出てきます。
契約のときに、火災保険の案内があります。私はそれとは別のところで入りました。
美容商材の商社の保険です。(うちはビューティガレージのものにしました)
不動産会社から案内されたものに、そのまま入ったわけではありません。
案内されたものに入らないと、まずくないですか?
まず、不動産会社に「別のところで入りたい」と伝えて確認してください。契約で条件が決まっていることがあります。
そのうえで選べるなら、比べる価値はあります。店舗として必要な補償がついているかどうかは、保険によって違います。
保険の内容は、契約と物件によって必要なものが変わります。私は保険の専門家ではありません。借家人賠償など、店舗として何が必要かは、不動産会社と保険の窓口に確認してください。ここで言いたいのは「選べる場合がある」ということだけです。
申込から引渡しまで、どれくらいかかりますか?
物件と時期によりますが、申込から契約までで2〜3ヶ月を見ておくと動きやすいと思います。私の場合は契約の翌日に引渡しで、そこから内装工事に2〜3週間かかりました。この工事期間も家賃は発生します。
工事は、契約の前にできませんか?
できません。自分の借りている部屋にならないと、工事には入れないからです。つまり「契約 → 家賃が発生 → 工事 → 開業」という順番になります。売上が立つ前に、家賃が何週間分か出ていくということです。ここは資金計画に入れておいてください。
審査には、何を出せばいいですか?
不動産会社によって変わるので、申込の前に「何が要りますか」と聞いてください。私が覚えているのは、事業計画書の簡易版を出したことです。開業前は実績がないので、「何の店で、どう成り立たせるのか」を紙で見せるしかありません。自己資金が分かるものも効きます。
融資が決まる前に、申し込んでもいいですか?
私は決まる前に申し込みました。ただし原則は「融資が決まってから契約」です。申込と契約は違います。契約金は、融資のお金が入る前に払うことになるので、落ちたときにどうなるかを先に数えてください。
保証会社の費用は、契約のときだけですか?
いいえ。初回の保証料に加えて、年ごとの更新料がかかります。うちはかかっています。金額は契約によって違うので書きませんが、毎年出ていく固定費が1つ増えると考えておいてください。初期費用の表に書いた「保証会社」は、初回のぶんだけです。
重要事項説明で、何を質問すればいいですか?
その場で考えるのは難しいです。事前に聞いておいてください。私は、契約の前に内装業者さんに「まず何を聞くべきか」を聞いていました。おかげで、重要事項説明のときは確かめる側にまわれました。あの場は、聞く場ではなく確かめる場だと思っています。
契約書で、どこを見ればいいですか?
用途/原状回復/解約予告/更新料/造作・工事の可否/看板/普通借家か定期借家か。この7つです。内装もメニューもあとから変えられますが、契約書だけは押したあとに変わりません。
定期借家の物件は、やめたほうがいいですか?
私は普通借家をおすすめします。定期借家は、その年数を過ぎると出ないといけません。まつげサロンは通っていただくお店なので、お客様がついた場所から出ることになるのは大きいです。絶対にダメという話ではありませんが、知らずに契約するのがいちばん危ないです。契約書のどこに書いてあるか、必ず確かめてください。
条件の交渉は、したほうがいいですか?
通らなくても、聞いておく価値はあります。私はエアコンの交換を頼んで断られました。回答は「壊れたら替える」。残念でしたが、その答えがそのままお店の前提になりました。聞かなければ、それも分からないままでした。
入居のときに、やっておくことはありますか?
どこが汚れているか、どこが破損しているかを写真に撮って提出します。小さなキズでもです。出るときに「これは入る前からありました」と言えるかどうかが、ここで決まります。引きの1枚と、場所が分かるように指を添えた1枚の2枚1組がおすすめです。
火災保険は、案内されたものに入るしかないですか?
まず不動産会社に確認してください。契約で条件が決まっていることがあります。選べるなら比べる価値はあります。私は美容商材の商社の保険にしました。ただし店舗として必要な補償は物件と契約で変わりますので、内容は必ず窓口に確認してください。
1. 申込 → 審査は2回(入居審査と保証会社)→ 重要事項説明 → 契約金 → 契約 → 引渡し → 工事
2. 工事は契約のあと。家賃を払いながら工事をする。ここを資金計画に入れる
3. 審査には事業計画書の簡易版を出した。開業前は、紙で見せるしかない
4. 保証料は初回だけではない。年ごとの更新料がかかる
5. 重要事項説明は「聞く場」ではなく「確かめる場」。事前にきっちり聞いておく
6. 契約書で見るのは用途・原状回復・解約予告・更新料・工事の可否・看板・借家の種類の7つ
7. 普通借家を推します。定期借家は、年数が来たら出ることになる
8. 交渉は通らなくても聞く。返ってきた答えが、そのまま前提になる
9. 契約金は、融資のお金が入る前に払う
10. 入居のとき、キズを写真に撮って出す。出るときに効く
11. 火災保険は、選べる場合がある
「契約のときに聞きはじめると遅い」の意味が、やっと分かりました。
そこです。内見のうちに聞く。契約の前に聞く。
次は、いちばん取り返しがつかないところの話です。家賃です。
この記事は、私自身が2024年から2025年にかけて恵比寿で1店舗を開業した経験をもとに書いています。契約の流れ・必要書類・費用・条項は、物件と不動産会社、地域や時期によって異なります。私は宅地建物取引士でも保険の専門家でもありません。契約条件・借家の種類・原状回復の範囲については宅地建物取引士のいる不動産会社に、保険の内容については保険の窓口に、融資については金融機関にご確認ください。

30分の無料相談を
お受けしています
開業の準備、資金計画、開いたあとの集客と求人。
まだ何も決まっていない段階でも大丈夫です。
無理におすすめすることはありません。