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まつげサロンの集客
開業前にやったこと、全部

恵比寿292件を14件に絞って、分かったことがありました。
そして、看板が出せないので、道案内を書きました。

アイリストさん

集客って、お店が開いてからの話ですよね。

開業前にできることって、あるんですか?

阿部

むしろ、開業前がいちばん量があります。

うちは競合調査だけで30時間以上かけました。そのファイルも含めて、やったことを全部出します。

この記事の結論

1. 競合は「絞ってから」見る。闇雲に見ると、時間だけが溶けます

2. 価格は、媒体ごとに変えていい

3. 看板が出せないなら、「道案内」を書く

この記事は「開業までにやる集客」だけを書きます。開けたあとの運用(クーポンの見直し、ブログ、口コミ返信、SNS、広告)は、別の記事にします。ここに混ぜると終わらないからです。

この記事の内容

  1. いつから動いたか
  2. 競合調査 ── 292件を14件に絞る
  3. 分かったのは「みんな20代を見ている」こと
  4. ミニモは「おすすめ順」を見る
  5. 価格は、媒体ごとに変えていい
  6. 掲載原稿は、先に全部つくる
  7. 看板が出せない。だから道案内を書いた
  8. 施術写真がない状態で、どうしたか
  9. 聞いた媒体、聞かなかった媒体
  10. 「プロだからできたんでしょ」について
  11. よくある質問
  12. まとめ

いつから動いたか

うちは2025年5月10日のオープンでした。時系列はこうです。

掲載が開通した日から、オープン日までの2週間。ここが、開業前の集客でいちばん大事な期間です。

この2週間で入った予約が、そのままオープン初週の売上になります。

競合調査 ── 292件を14件に絞る

ホットペッパービューティーで「恵比寿駅周辺のまつげエクステ」を検索すると、292件出てきました。

これを全部見るのは、無理です。というより、全部見ても意味がありません。

シートの1行目に書いたこと

「闇雲に見るのではなく、30代か40代をターゲットにしているお店に絞って見ていく」

これが、292件を14件にした基準です。

絞り方は難しくありません。ホットペッパービューティーには、お店のターゲット年代が載っています。それを見て、自分たちが狙う年代と重なる店だけを残しました。

1店ずつ、何を記録したか

1
営業時間・定休日自分たちの営業時間を決めるための材料です。周りが11時開店なら、10時開店に意味が出ます。
2
スタッフ数1名の店と8名の店では、そもそも戦い方が違います。
3
ターゲット層ここがいちばん大事でした。理由は次の項に書きます。
4
単価(初回/2回目以降)ホットペッパービューティーに表示されている価格帯です。
5
クーポン価格(新規/再来/全員)まつげパーマ・アイブロウ・マツエクの3メニューぶん。表示価格ではなく、実際に払う金額がこれです。
6
メモ価格ではなく「見せ方」を書きました。ここが後で効きます。
7
Instagramアカウントがあれば、URLを控えました。
競合調査シート。14店の店名を伏せ、スタッフ数・ターゲット層・単価・まつげパーマの新規クーポン価格が並んでいる

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実際に作った競合調査シートです(店名は伏せています)。上のオレンジの行が、292件を絞るときの基準として最初に書いた一文です。ターゲット層の列を、縦に見てみてください。

そして14店のうち4店に、★と☆の印をつけています。★は「特に注力したい店」です。まったく同じ土俵に立つ相手、という意味です。

メモ欄に、何を書いていたか

いま見返すと、価格の話がほとんどありません。書いてあったのは、こういうことでした。

「0円メニューの見せ方が非常に参考になる」
「セットメニューの並べ方が参考になる」
「ただのまつげパーマという表現より……」
「完全個室。こういうイメージの内装が希望」

競合調査は、価格を写す作業ではありません。「この人たちは、どう見せているか」を見る作業です。価格だけなら30分で終わります。30時間かかったのは、そこではないところを見ていたからです。

30時間……。ちょっと、無理かもしれません。

正直に書きますね。これは2025年の話です。

いま同じことをやるなら、1時間で終わると思います。AIに集めさせて、自分は「絞る基準」と「メモ欄」だけを考えればいいからです。

ただ、絞る基準を決めるのは、いまでも人の仕事です。「30代か40代の店だけを見る」を決められるのは、自分だけです。

分かったのは「みんな20代を見ている」こと

14店を並べ終えたとき、はっきり見えたことがありました。

14店のターゲット層

20代 …… 12店

30代 …… 2店

40代 …… 0店

恵比寿という街で、まつげサロンはほぼ全部が20代を見ていました。

これが、うちが40代を選んだ理由です。

事業計画書の記事で「ターゲットを先に決める」と書きました。でも正確に言うと、順番はこうです。

1. だいたいの方向を決める → 2. 競合を見る → 3. 空いているところを確認して、確定する

うちのペルソナは「40歳・外資系・年収600万円」でした。これは思いつきではなくて、14店を並べた結果です。

ここは物件の記事ともつながります。エレベーターを譲れない条件にしたのも、ターゲットが40代以上だったからです。ひとつ決まると、次が決まります。

ミニモは「おすすめ順」を見る

ミニモも調べました。ただし見方が違います。

ミニモの見方

ミニモの検索結果は、初期表示が「おすすめ順」です。

つまりこの順位を上げることが、そのまま集客になります。だから「上から順に、誰がいるか」を見ました。

恵比寿駅10分圏で177人。おすすめ順のまま並べて、1人ずつ記録したのは3つだけです。

1
経験年数上位の人が何年目なのか。ここで「経験年数が長い=上位」ではないことが分かります。
2
メニュー数10個の人もいれば、34個の人もいました。上位の人ほどメニューが多い傾向が見えます。
3
新規/既存の価格ホットペッパービューティーとは違う価格帯でした。ここは次の項に書きます。

ミニモは「店」ではなく「人」につく媒体です。だから調べる単位も、店ではなく人になります。

価格は、媒体ごとに変えていい

ここは、知らない方が多いところです。

うちは、ホットペッパービューティーとミニモで価格を変えています。ミニモのほうが低く出しました。

え、それって……いいんですか?

問題ありません。媒体ごとに、役割が違うからです。

ホットペッパービューティー = 店に集める

お店を探している方が来ます。だからお店として出したい価格で組みます。

ミニモ = スタッフ個人に集める

ミニモはスタッフ個人につく媒体です。うちがここを低く出したのは、オープン直後のスタッフに、まだお客様がついていないからでした。
指名がゼロの時間を、できるだけ短くしたかったんです。

正直に書くと、ここは苦しい判断でした。

価格を下げれば、単価は下がります。リピートにつながるとも限りません。それでも「手が空いている時間」よりはいいと考えて、そうしました。いまでも、これが正解だったとは言い切れません。

下げなかった。でも、下げる手段は用意しておいた

価格を決めるとき、うちは2案つくって話し合いました。技術側の案と、経営側の案です。最終的には話し合って1つに決めています。

そのうえで、もうひとつ用意していたものがあります。

これは真似してほしいです

動員が出なかったときのために、当日限定の安いクーポンを「出せる状態」にしておきました。

最初から下げるのではなく、下げる手段だけを持っておく。これなら、価格を守ったまま始められます。

先に下げてしまうと、戻すのがとても大変です。下げるのは、いつでもできます。

掲載原稿は、先に全部つくる

うちは、掲載媒体の原稿をすべて表計算ソフトで作ってから入稿しました。管理画面に直接打っていません。

1
ホットペッパービューティー14シートぶんです。基本情報/サロンTOP/サロンアンサー/クーポン/メニュー/メニューのラフ案/スタイリスト/アシスタント/フォトギャラリー/特集 ……。基本情報のシートだけで入力欄が80以上ありました。
2
Googleビジネスプロフィールプロフィール/商品/サービスの3シート。
3
サロンアンサー(予約システム)これは集客というよりお店の仕組みです。ただ、WEB予約とメニュー登録に、とんでもなく時間がかかりました。

入力欄がこれだけあると、管理画面で直接やるのは現実的ではありません。途中で分からなくなりますし、二人で確認することもできません。

そして、作った原稿は残ります。あとで見直すときも、変更するときも、手元にあるものを直せば済みます。

看板が出せない。だから道案内を書いた

物件の記事で書きました。うちは、看板が出せません。

マンションの一室で、共用部に何も出せない。通りすがりのお客様は、来ません。

それ、どうしたんですか。

ホットペッパービューティーの「道案内・アクセス」欄に、全部書きました。

ここが、うちの看板です。

実際に書いた文章を、そのまま出します。

【日比谷線からの道順】
恵比寿駅日比谷線4番出口を出て、恵比寿南の交差点を渡ります。信用金庫を左手にして真っ直ぐ。恵比寿公園が切れる交差点を左折して坂を登る。4つ目の交差点を右折。直進すると左手が当店。

【JR西口からの道順】
恵比寿西口を出て恵比寿像、交番を右手にして恵比寿駅前の交差点を渡ります。直進すると、恵比寿西一丁目の交差点の五差路を左前に進み、一つ目の交差点を右折して直進すると当店。

この文章の作り方

1. 出口を特定する(「恵比寿駅から」ではなく「日比谷線4番出口」)

2. 目印は、なくならないものにする(信用金庫・交番・公園・銅像)

3. 「◯つ目の交差点」で数えられるようにする

4. 路線ごとに、別々に書く

2の理由は、お店やコンビニは入れ替わるからです。「ファミリーマートの角を」と書くと、数年で嘘になります。信用金庫、交番、公園、銅像。これらは動きません。

4も大事です。恵比寿はJRと日比谷線で出口がまったく違います。1本にまとめると、どちらの人も迷います。

看板が出せない物件を選ぶなら、この欄に何を書くかを、契約前に一度考えてみてください。

書けないなら、それはお客様も辿り着けないということです。

施術写真がない状態で、どうしたか

開業前は、当然ながら自分の店の施術写真が1枚もありません。スタイル写真が出せないと、掲載ページは埋まりません。

うちは、こうしました。

1
シェアサロンで撮った写真を使うオープン前、シェアサロンを借りて施術をしていました。そこで撮った写真です。
2
妻が持っていた宣材写真でやりくりする前職までに撮っていたものです。足りないぶんは、これで埋めました。
3
店内はカメラマンさんに撮ってもらう器具を買った販売店から紹介していただきました。撮影はオープン前です。お客様が入る前しか、きれいな状態は撮れません。

これから開業する方に伝えたいのは、「開業前に施術できる場所を持っておくと、写真の問題が消える」ということです。シェアサロンでも、間借りでも構いません。

口コミも、ゼロから

口コミも当然ゼロでした。1件目が入ったのは、オープンから1週間以内だったと思います。

特別なことはしていません。ただ、1週間はゼロだったということです。ここは焦らないでください。

聞いた媒体、聞かなかった媒体

正直に書きます。うちの場合の話です。

予約につながった

ホットペッパービューティー/ミニモ/Googleビジネスプロフィール/楽天ビューティ

うちでは、動きが見えなかった

Yahoo!プレイス
セミナーを受けて、自分で登録して運用しました。それでも、うちのエリアと業種では予約に結びつきませんでした。地域や業種で結果は変わるので、これは「うちの場合」です。

それから、公式LINEも開業前に作りました。広告も出稿しています。これはセミナーで学んで、自分で組みました。

ここで言いたいのは「Yahoo!プレイスはやめておけ」ではありません。登録は無料でできますし、やって損はありません。お金と時間を、どこに厚く置くかという話です。厚く置く前に、薄く試す。これは全部の媒体に言えます。

「プロだからできたんでしょ」について

ここまで読んで、そう思われたと思います。そのとおりです。正直に分けて書きます。

本業だから、有利だったこと

私は個人事業として、100店舗以上のオープン支援・集客支援をやらせていただきました。その知見があったことは、まちがいなく有利でした。
ここは、真似してくださいとは言えません。

それでも、変わらずしんどかったこと

開業までの準備そのものです。特に、パソコン作業を1から全部、自分でやったこと。
そして、そこで初めてコンサル先の店長さんの辛さが、身に染みて分かりました。

数字も、出しておきます

ここまで書いておいて実績を伏せるのは不誠実なので、ひとつだけ出します。

オープン月(2025年5月)

来店 121名。目標は 200名でした。

達成率、およそ6割です。

ここまで書いてきたことを、全部やった結果です。競合調査に30時間かけて、掲載原稿を14シート作って、道案内を2ルート書いて、公式LINEまで自分で組んで、それで6割でした。

だから、これから開業する方に言えることは1つです。初月で計画どおりにいかなくても、それは普通です。

「原稿を作ってください」と、私はずっと言ってきた側です。

でも自分でやってみたら、14シートを埋めるのがこんなに重いとは思っていませんでした。営業が終わってから、夜にやるんです。

知っていることと、やったことがあることは、まったく別でした。

よくある質問

競合調査は、何店くらい見ればいいですか?

数より絞る基準です。うちは292件から14店に絞りました。基準は「自分たちと同じ年代をターゲットにしているか」。これだけです。基準がないまま50店見るより、基準を決めて10店見るほうが役に立ちます。

30時間もかけられません。

2025年の話です。いま同じことをやるなら、AIを使って1時間で終わると思います。ただし「どの基準で絞るか」と「何をメモするか」は、いまでも自分で決める必要があります。

媒体によって価格を変えてもいいんですか?

問題ありません。媒体ごとに役割が違うからです。うちはホットペッパービューティーを「店に集める」、ミニモを「スタッフ個人に集める」と分けて、ミニモを低く出しました。

オープン前から価格を下げたほうがいいですか?

おすすめしません。下げるのはいつでもできますが、戻すのは大変です。うちは価格を守ったうえで、動員が出なかったときのために当日限定クーポンを「出せる状態」にしておきました。

施術写真が1枚もありません。

うちはシェアサロンで撮った写真と、妻が前職までに撮っていた宣材写真でやりくりしました。開業前に施術できる場所を持っておくと、この問題は消えます。

看板が出せない物件です。

掲載媒体の「道案内・アクセス」欄を、看板だと思って書いてください。うちはJRと日比谷線で別々に、目印を「なくならないもの」(信用金庫・交番・公園)にして書いています。

まとめ

持ち帰ってほしいこと

1. 競合調査は物件が決まる前からできる

2. 絞る基準を先に決める(うちは「30代か40代を見ている店」)

3. 記録するのは価格だけでなく「見せ方」

4. うちの場合、14店中12店が20代狙いだった。だから40代にした

5. ミニモは「おすすめ順」が命。だから人単位で見る

6. 価格は媒体ごとに変えていい

7. 先に下げない。下げる手段だけ用意しておく

8. 掲載原稿は表計算ソフトで作ってから入れる

9. 看板が出せないなら、道案内を書く。目印はなくならないもので

10. 写真はシェアサロン+宣材写真でしのげる

11. 全部やっても、うちの初月は目標の6割でした

集客って、開けてからだと思っていました。

開ける前に、ほとんど決まっています。

ターゲットも、価格も、載せる言葉も、道案内も。開けてからできるのは、その調整だけです。

次は店舗運営の準備の話を書きますね。

この記事は、私自身が2025年に恵比寿で1店舗を開業したときの集客準備の記録をもとに書いています。掲載している来店数は2025年5月(開業月)の実数です。競合調査の内容は2025年時点のもので、店舗名は伏せています。掲載媒体の仕様・表示順のルール・料金は変更されることがあります。予約や集客の結果は、地域・業種・時期・条件によって大きく変わるため、掲載している内容は「うちの場合」としてお読みください。

阿部弘康

阿部 弘康

株式会社CALM TOKYO 代表取締役
恵比寿でまつげパーマ&眉毛アイブロウサロンを運営

美容業界18年。化粧品メーカーの営業、美容サロン専門の広告会社を経て、サロン専門のコンサルタントとして独立しました。集客に関する書籍を2冊出しています。
2025年、恵比寿に自分たちの店を開きました。技術は、表参道で17年やってきたアイリストの妻が。経営とマーケティングは私が見ています。人の店を見てきた側と、自分で開いた側。その両方から書いています。

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サロン運営 株式会社CALM TOKYO 代表取締役 阿部 弘康
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