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まつげサロンの開業準備
プレオープンを9日間とりました

予約システム、決済、保険、そしてゴミ。
地味な10項目と、その全部を洗い出すための9日間の話です。

アイリストさん

内装も器具も終わって、あとは開けるだけ……ですよね?

阿部

まだ10項目残っています。予約システム、決済、保険、BGM、ドリンク、そしてゴミ。

どれも地味です。でも抜けると、オープン初日にあわてます。

この記事の結論

1. 細かいものは、リストを使っても必ず足りなくなる

2. だからプレオープン期間を置く。うちは9日間とりました

3. 保険は、最初に高いものへ入りすぎました

この記事の内容

  1. 開業前、最後に残る10項目
  2. なぜ、最後の1週間に固まるのか
  3. 予約・顧客管理システム
  4. いちばん高いオプションが、いちばん効いている
  5. 決済の決め手は「持ち運べること」だった
  6. 保険は、最初に高いものに入りすぎた
  7. ゴミ ── コンビニでシールを買う
  8. BGMと、待合の読み物
  9. プレオープンを9日間とった
  10. よくある質問
  11. まとめ

開業前、最後に残る10項目

私は開業準備をチェックリストで管理していました。100項目以上あるものです。

そのなかの「店舗運営」の欄を、期限ごとそのまま出します。オープンは2025年5月10日です。

なぜ、最後の1週間に固まるのか

いま並べてみて、あらためて気づいたことがあります。

10項目のうち6項目が

5月3日に固まっています。オープンは5月10日。1週間前です。

これは、段取りが悪かったからではありません。物件の引渡しが終わらないと、手をつけられないものだからです。

ゴミの出し方も、セキュリティも、BGMのスピーカーをどこに置くかも、部屋が自分のものにならないと決められません。

だから、この10項目は「早くやる」ではなく「まとめてやる日を決めておく」が正解だと思っています。

そしてその日は、必ず慌ただしくなる前提で置いてください。

ちなみに、うちはほぼ計画どおりに進みました。多少の前後はありましたが、問題は出ていません。先に日を決めていたからだと思います。

予約・顧客管理システム

うちが入れたのはサロンアンサーです。予約とレジ(POS)と顧客管理が1つになっているものです。

設定に1週間以上かかりました。メニュー、料金、施術時間、スタッフのシフト、WEB予約の受付ルール。登録するものが、とにかく多いです。

いま毎月払っている金額を、そのまま出します。

サロンアンサー|月額(2026年4月・請求書より)

サロンアンサー 月額9,800
安心サポート 月額0
ネット予約 月額5,000
KANZASHI連携 月額掲載媒体との予約連携6,000
LINEミニアプリ 月額6,800
合計(税込)30,360 円

2026年4月時点・4席の店の場合です。価格は時期や契約内容で変わります。

月3万円です。安くはありません。ただ、この中身の話をさせてください。

いちばん高いオプションが、いちばん効いている

上の表で、本体の次に高いのは「LINEミニアプリ 6,800円」です。

そしてこれが、うちでいちばん効いているものです。

うちが唯一、徹底したこと

最初のご案内で、公式LINEを確実に登録していただくこと。

これがリピートの生命線です。

教育マニュアルは作ったんですか?

作っていません。正直に言うと、オープン前にそこまでの余裕はありませんでした。

代わりに、この1つだけをオープン前に徹底しました。マニュアルではなく、流れとして体に入れてもらったという感じです。

POSと公式LINEが連動しているので、登録さえしていただければ、そこから先はつながります。裏を返すと、最初のご案内で取れなければ、そのお客様とは二度と連絡が取れません。

ここは、システムを選ぶときの基準にもなります。「予約が取れるか」だけで選ばないでください。「一度来てくださったお客様と、どうやってつながり続けるか」まで見て選ぶと、月々の金額の意味が変わります。

サロンの受付まわり。アーチ型の入口、受付カウンター、待合のソファ
うちの受付です。この小さなカウンターの中で、予約も、会計も、LINEのご案内も起きます。この記事の10項目は、ほとんどがこの1畳ぶんの場所の話です。

決済の決め手は「持ち運べること」だった

キャッシュレス決済はエアペイにしました。

決め手は、意外なところにあります。

なぜエアペイだったか

お店が完成する前に、シェアサロンで先に使う必要があったからです。

だから持ち運びのいいものを選びました。

集客の記事に書いたとおり、うちはオープン前にシェアサロンを借りて施術をしていました。そこでもお会計は発生します。

つまり「開業前に営業する期間があるかどうか」で、選ぶ端末が変わるということです。据え置き型を先に契約していたら、シェアサロンで使えませんでした。

保険は、最初に高いものに入りすぎた

ここは、正直に書きます。失敗しました。

開業時 年 約5万円

いちばん手厚いものに入りました。何が起きるか分からなかったからです。

1年後 年 約1万円

必要最小限に切り替えました。1年やって、自分の店に本当に要る補償が分かったからです。

店舗保険・賠償保険は毎年更新です。だから、あとから変えられます。

なぜ最初に高いものへ入ったのか。怖かったからです。お客様の目のまわりを扱う仕事です。判断としては、間違っていなかったと思います。

ただ、5万円と1万円の差は、4万円です。開業してすぐの1年で、この4万円は小さくありません。

これは保険を軽く見ていい、という話ではありません。入らないという選択はありません。
そうではなく、「1年後に見直す」を最初から予定に入れておいてくださいという話です。保険は毎年更新なので、そこが必ず来ます。

開業資金の記事で「知らなかったから600万円かかった」と書きました。求人の記事では「就業規則に70万円と言われた」と書きました。保険も、同じ形をしています。

ゴミ ── コンビニでシールを買う

この記事でいちばん驚いたことです。

お店から出るゴミは、家庭ゴミとして出せません。

うちはコンビニで「ゴミを捨てるためのシール」を買って、それを貼って出しています。

開業して驚いたことの、ひとつです。

知らなかった、というのが正直なところです。マンションの一室なので、今までどおりに出せばいいと思っていました。

実際には、事業から出るゴミは家庭ゴミとは扱いが別です。自治体の有料の処理券を貼って出すか、回収業者と契約するか。うちは前者になりました。

1
契約する前に、管理会社に確認するマンションの場合、共用のゴミ置き場が事業ゴミに使えるかどうかは物件ごとに違います。ここは契約前に聞いてください。
2
自治体のルールを調べる処理券の要否・買える場所・出せる曜日は、区や市によって違います。
3
量が多いなら、業者と契約するうちは1店舗ぶんなので処理券で足りていますが、規模によっては業者のほうが早いです。

ゴミの扱いは、自治体ごとに大きく違います。また、賃貸の場合は管理規約や貸主の取り決めが優先されます。必ず、所轄の自治体と管理会社の両方に確認してください。この記事は「うちの場合」です。

物件の記事で「不動産屋に最初に全部伝える」と書きました。この項目も、そのリストに足してください。「事業のゴミは、どこにどう出せますか」です。

BGMと、待合の読み物

BGM

スピーカーは、家庭用のポータブルなもので足ります。置き場所を動かせるほうが、レイアウトの調整がききます。

ただし、音源は別の話です。お店で音楽を流すことは、家で聴くこととは扱いが違います。個人向けの音楽サブスクは、規約で店舗での利用を認めていないものがほとんどです。また、自分で買ったCDや音源を店内で流す場合も、著作権の手続きが必要になります。
店舗向けのBGMサービスを使えば、この手続きをまとめて引き受けてもらえます。ここは必ず、使うサービスの規約と、著作権管理団体の案内を確認してください。

待合の読み物

チェックリストには「雑誌・電子書籍」と書いてありました。でも、入れませんでした。

やらなかった理由

アイサロンの場合、お客様はほぼ寝ています。

読み物が要る時間が、ほとんどありません。

これは業種によって答えが変わるところです。ヘアサロンなら必要かもしれません。自分の店で、お客様が何をしている時間が長いか。そこから決めてください。

プレオープンを9日間とった

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

うちの日程

5月1日〜5月9日 …… プレオープン期間(9日間)

5月10日 …… 本オープン

9日間も? なぜそんなに?

「あれがない、これがない」が必ず出ると分かっていたからです。

そして実際、出ました。チェックリストを使って、100項目を潰したうえで、それでも出ました。

ここは正直に書いておきたいところです。

この記事のいちばん大事な一行

細々したものは、リストを使っても、確実に足りなくなります。

ボールペン、輪ゴム、レジ袋、タオルの枚数、ゴミ袋のサイズ、コンセントの数。こういうものは、実際に1人のお客様を通してみないと分かりません。

だからプレオープンは、集客のためではなく「洗い出しのため」に置きました。結果として、本オープンの日はスムーズでした。

順番でいうと、こうです

もしスケジュールがきつくて、どこかを削らなければならないなら、削るのはプレオープンではありません。プレオープンを残して、オープン日を後ろにずらしてください。

よくある質問

予約システムは、いつ契約すればいいですか?

オープンの2週間前には契約を済ませてください。うちは設定だけで1週間以上かかりました。メニュー・料金・施術時間・シフト・WEB予約のルールと、登録するものがとにかく多いです。

システムの月額は、どれくらい見ておけばいいですか?

うちは月30,360円(税込)です。本体に加えて、ネット予約・掲載媒体との連携・公式LINE連携のオプションが乗っています。席数や契約内容で変わります。

キャッシュレス決済は、どう選べばいいですか?

手数料や入金サイクルはもちろんですが、「どこで使うか」も見てください。うちは開業前にシェアサロンで施術していたので、持ち運べることが決め手になりました。

店舗保険は、いくらくらいですか?

うちは開業時に年5万円ほどの手厚いものに入り、1年後に見直して年1万円ほどになりました。毎年更新なので、1年後に見直すことを最初から予定に入れておいてください。

お店のゴミは、家庭ゴミとして出せますか?

出せません。事業から出るゴミは扱いが別です。自治体の処理券を貼って出すか、回収業者と契約します。マンションの場合は、共用のゴミ置き場が使えるかを管理会社に確認してください。物件を契約する前にです。

プレオープンは、どれくらいとればいいですか?

うちは9日間とりました。長さより「本オープン前に、実際にお客様を通す日をつくる」ことが目的です。細かい備品は、通してみないと足りないことが分かりません。

まとめ

持ち帰ってほしいこと

1. 最後の10項目は「まとめてやる日」を先に決めておく

2. 予約システムは設定に1週間以上。2週間前には契約を

3. システムは「予約が取れるか」ではなく「つながり続けられるか」で選ぶ

4. 公式LINEの登録は、最初のご案内で確実に。ここが取れないと連絡手段が消えます

5. 決済端末は「どこで使うか」で選ぶ

6. 保険は1年後に見直す。最初から予定に入れておく

7. お店のゴミは家庭ゴミでは出せない。物件契約の前に確認を

8. 待合の読み物は業種による(アイサロンはほぼ寝ています)

9. 細々したものは、リストを使っても確実に足りなくなる

10. だからプレオープンを置く。削るなら、ほかを削る

100項目のリストを作っても、足りないんですね。

足りません。私はそれを仕事にしてきた側ですが、それでも足りませんでした。

だからリストは「漏れをゼロにする道具」ではなく「大物を落とさない道具」だと思っています。細かいものは、リストではなく時間で拾います。それがプレオープンです。

次で最後です。手続きと経理の話を書きますね。

この記事は、私自身が2025年に恵比寿で1店舗を開業したときの準備の記録と、実際に使用したチェックリスト・請求書をもとに書いています。掲載しているシステムの金額は2026年4月時点・4席の店の場合で、契約内容や時期によって変わります。保険料は加入内容によって大きく異なります。ゴミの取り扱いは自治体・物件ごとにルールが異なるため、所轄の自治体と管理会社の双方にご確認ください。店内BGMの利用条件は、各サービスの規約および著作権管理団体の定めによります。

阿部弘康

阿部 弘康

株式会社CALM TOKYO 代表取締役
恵比寿でまつげパーマ&眉毛アイブロウサロンを運営

美容業界18年。化粧品メーカーの営業、美容サロン専門の広告会社を経て、サロン専門のコンサルタントとして独立しました。集客に関する書籍を2冊出しています。
2025年、恵比寿に自分たちの店を開きました。技術は、表参道で17年やってきたアイリストの妻が。経営とマーケティングは私が見ています。人の店を見てきた側と、自分で開いた側。その両方から書いています。

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サロン運営 株式会社CALM TOKYO 代表取締役 阿部 弘康
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