CALM TOKYO開業ロードマップ
まつげサロン開業ロードマップ03 物件この記事
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家賃は、いくらまでなら
払っていいのか

物件は最高です。でも、家賃が高い。
ここは正直に書きます。

この記事の親まつげサロンの物件探し|1年で20件見て、最後に決めたこと
アイリストさん

家賃って、いくらまでなら払っていいんでしょうか。

いいなと思う物件は、だいたい高くて。

阿部

この記事は、私がいちばん後悔しているところの話になります。

先に結論を書きます。家賃だけは、妥協してください。

妥協……ですか。

物件のところでは「エレベーターは譲らなかった」と書かれていましたよね。

そうです。設備や立地は、譲れないものを1つ持っていい。

でも家賃は別です。理由は1つで、固定費は、簡単には下げられないからです。

いまの店には、とても満足しています。それでも、家賃は高いと思っています。

この記事の内容

  1. 家賃は、売上から逆算します
  2. でも、比率だけでは止まりませんでした
  3. 天井は、席数が決めます
  4. 満席で決めない。1名で決める
  5. 家賃は、1円も下がりませんでした
  6. 坪単価だけで比べないでください
  7. 安い物件は、ありませんでした
  8. エリアを下げるか、広さを削るか
  9. いま、もう1店舗出すなら
  10. よくある質問
  11. まとめ

家賃は、売上から逆算します

まず、一般的に言われている目安から書きます。

よく言われる目安

家賃は、売上の10%以内が理想。15%が上限。
ただし都心では10%はなかなか難しいので、実務では12〜15%に収まるかを見ることが多いです。

順番はこうです。

売上の組み立て方はこちら事業計画書はどう書くのか|14ページを、埋める順番で

でも、比率だけでは止まりませんでした

ここからが本題です。

私も、逆算はしていました。それでも、止まりませんでした。

正直に書きます。

「いけるだろう」と、たかを括っていました。

でも、計算はしていたんですよね……?

していました。でも、比率は「売上の見込み」にかけるものなんです。

見込みを強気に置いた瞬間、上限も一緒に上がります。15%というルールは、そこでは何の歯止めにもなりません。

「売上の15%以内」は、正しいけれど、止まりません。売上を1.3倍で置けば、払える家賃も1.3倍になるからです。比率の外側に、もう1本の物差しが要ります。それが次の話です。

天井は、席数が決めます

私がいま使っている物差しは、これです。

1席あたり、いくらか

1席あたり、月商60万円。
まずはこの計算でいいと思います。ここから上に行けたら、最高です。

CALM TOKYO 恵比寿本店の施術チェア。間仕切りで半個室にした1席
うちの1席です。この椅子が、月に60万円を運んでくるという見方をします。うちは4席なので、天井は240万円です。

なるほど……。席数から出すと、盛れないですね。

そこが大事なところです。

売上から入ると、いくらでも強気に置けます。でも席は、数えたら終わりです。4席の店が5席分の売上を出すことはできません。

売上から入る

いくらでも強気に置けます。「がんばればいける」が入り込みます。

席数から入る

数えたら終わりです。席 × 60万円。ここに気持ちは入りません。

計算してみる

4席 × 60万円 = 月商240万円
ここに10〜15%をかけると、家賃の上限は24万〜36万円。
この幅から出る物件は、内見に行かないと決めておきます。

満席で決めない。1名で決める

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。

上の計算には、大きな穴があります。4席 × 60万円というのは、4席が全部埋まっている前提だからです。

席が埋まらないこともある、ということですか。

席ではなく、人です。

席は4つあっても、施術する人がいなければ、その席は0円です。

うちで起きたことを書きます。

開けたあと、スタッフが入って、辞めていく時期がありました。ようやく育って、利益が出はじめた矢先でした。

一人ひとりに事情があります。それは私が語ることではありません。
ここで書きたいのは、私の側の話です。

そのあいだも、家賃は1円も下がりませんでした。
支払いが重なった月は、1ヶ月で100万円の赤字を出しました。

私は、席が埋まっている前提で家賃を決めていました。
人が抜けたときのことを、数字にしていなかったんです。

だから、物差しはこうなります

上限は「満席のとき」で決める。
下限は「1名で回したとき」で決める。
この2本目がないと、人が抜けた月に止まります。

1名で回したときの計算って、どうやるんですか。

単純です。1席 × 60万円で計算してみてください。

その月商から、家賃と、材料と、掲載料と、自分の生活費を引く。残るかどうかです。

残らない家賃なら、その物件はやめたほうがいい。これが私の答えです。

満席のとき(4席)

月商240万円。ここで家賃を決めると、いちばん高い物件が取れます。

そして、人が抜けた月に効いてきます。

1名のとき(1席)

月商60万円。ここで払えるかを見ると、物件はぐっと小さくなります。

でも、止まりません。

1名でも利益が出る基盤を、まず作る。これが本当に重要なんだと、いま思っています。

家賃は、1円も下がりませんでした

もう少し、固定費の話を続けます。

私が開業前に本当の意味では分かっていなかったのが、人を雇うことの重みでした。

分かっていなかったこと

社会保険の重みです。
給与の額は見ていました。でも、会社が負担する分が毎月出ていくことの重さは、実感としては分かっていませんでした。

そして、固定費は重なります。

家賃、社会保険、掲載料、リース、返済。1つ1つは払えても、同じ月に重なると効きます。

支払いが重なった月に、100万円の赤字を出しました。

売上は動きます。固定費は動きません。これが全部です。
売上が半分になっても、家賃は半分になりません。人が抜けても、家賃は減りません。だから、家賃をいくらにするかは「いちばん取り返しがつかない判断」だと思っています。

計画と実際のズレはこちら初年度の収支シミュレーション|計画と、実際に起きたこと

坪単価だけで比べないでください

物件を比べるとき、坪単価を見ると思います。目安としては便利です。

ただ、坪単価だけで並べると、実際の支払いを見誤ります。

毎月ほんとうに出ていく額5つ
  • 賃料
  • 共益費・管理費 物件によって差が大きいところです
  • 保証会社の更新料 年ごとにかかります。月割りで足しておきます
  • 更新料 更新のタイミングで出ます。これも月割りで
  • 看板・共用部の使用料など ある場合とない場合があります

この合計を月あたりに直して、はじめて物件どうしを比べられます。

年に1回のものまで、月割りにするんですか。

してください。年1回のものは、忘れた頃に来ます。

そして、来る月はたいてい他の支払いと重なります。月割りで持っておけば、驚きません。

坪単価の相場は、エリアによってまったく違います。同じ「坪1.5万円」でも、地域が変われば意味が変わります。その街の相場は、必ず不動産屋さんに聞いてください。ネットの平均値ではなく、そのエリアで実際に決まっている額を聞くのがいちばん早いです。

安い物件は、ありませんでした

「安い物件を探せばいいのでは」と思われるかもしれません。私のエリアでは、そもそもありませんでした。

正確に言うと、安い物件はありました。ただ、安いものは、狭いか、遠いかのどちらかでした。

探していた広さと近さでは、安いものはなかった、ということです。

つまり、こういうことです

安さは、単独では手に入りません。
安くするなら、広さか、立地のどちらかを渡すことになります。

ここが、この記事と親記事の「妥協」の話がつながるところです。全部は取れません。だから先に順位をつけておくという話でした。

エリアを下げるか、広さを削るか

私は、両方を検討しました。そして最終的にはいまの物件に決めて、物件そのものには非常に満足しています。

そのうえで、いま同じ選択をするならどうするか。広さを削ります。

エリアを下げる

変わるもの来ていただけるお客様が変わります。単価も、通っていただける距離も。

戻せるか戻せません。お店の前提そのものが変わります。

広さを削る

変わるもの席数の上限が下がります。最初から大人数では回せません。こちらを推します

戻せるかあとから広い物件に移れます。売上が上がって、利益が出てからで間に合います。

最初は1名、または2名でスタートするくらいの気持ちで、狭い部屋にする。

売上が上がって、利益が出てから広い部屋を借りる。

ここはシビアにすべきところでした。

いま、もう1店舗出すなら

最後に、いまの自分の基準を書きます。

次に出すなら

1名〜2名でオープンする規模感。
坪単価は1万〜1.5万円台でやりたいと思っています。

この坪単価は、私の狙いであって、相場ではありません。エリアによって相場はまったく違います。ご自身のエリアの相場は、必ず不動産屋さんに聞いてください。

1店舗目より、小さくするんですね。

小さくします。

1名でも利益が出る基盤を作ってから、大きくする。順番はこちらでした。

これも、美容業界の現実だと思っています。人は動きます。動いても止まらない形にしておくことが、結局いちばん強い。

よくある質問

家賃は、売上の何%までですか?

よく言われるのは「10%以内が理想、15%が上限」です。都心では10%はなかなか難しいので、実務では12〜15%に収まるかを見ることが多いと思います。ただしこの比率だけでは止まりません。売上の見込みを強気に置けば、払える家賃も一緒に上がるからです。

比率のほかに、何で見ればいいですか?

席数です。私は1席あたり月商60万円で計算しています。4席なら240万円。これが天井です。売上からは強気に置けますが、席は数えたら終わりです。ここに気持ちは入りません。

1席60万円は、どんなお店でも使えますか?

目安です。エリア・メニュー・客単価で変わります。ただ、まずこの計算で置いてみて、ここから上に行けたら最高という見方をするのがいいと思います。自分の店の数字が出てきたら、そちらに差し替えてください。

満席の売上で家賃を決めては、いけませんか?

それだけで決めないでください。4席あっても、施術する人がいなければその席は0円です。うちは、スタッフが入って辞めていく時期に家賃が1円も下がらず、支払いが重なった月に100万円の赤字を出しました。上限は満席で、下限は1名で。2本の物差しで見てください。

「1名で回したとき」は、どう計算しますか?

1席 × 60万円で月商を置きます。そこから家賃・材料・掲載料・自分の生活費を引いて、残るかどうかです。残らない家賃なら、その物件はやめたほうがいいというのが私の答えです。

坪単価で比べれば、いいですか?

目安にはなりますが、それだけでは見誤ります。賃料+共益費・管理費+保証会社の更新料+更新料+その他を足して、月あたりに直した額で比べてください。年に1回のものは月割りにしておくと、忘れた頃に来ても驚きません。

坪単価の相場は、どれくらいですか?

エリアによってまったく違いますので、金額は書けません。その街の相場は、必ず不動産屋さんに聞いてください。ネットの平均値ではなく、そのエリアで実際に決まっている額を聞くのがいちばん早いです。ちなみに私が次にやるなら、と思っているのは坪1万〜1.5万円台ですが、これは相場ではなく私の狙いです。

安い物件を探せば、解決しませんか?

私のエリアでは、安いものは狭いか遠いかのどちらかでした。安さは単独では手に入りません。安くするなら、広さか立地のどちらかを渡すことになります。

エリアを下げるのと、広さを削るのは、どちらがいいですか?

私は広さを削るほうを推します。エリアを下げると、来ていただけるお客様も単価も変わり、お店の前提そのものが変わります。広さは、売上が上がって利益が出てから、広い物件に移れます。最初は1〜2名でスタートするくらいの気持ちで狭い部屋にする。これがいまの私の考えです。

物件が気に入っているなら、家賃が高くてもいいのでは?

うちがまさにそれです。物件には非常に満足しています。でも、家賃は高い。設備や立地は、譲れないものを1つ持っていいと思っています。ただ家賃だけは別です。売上は動きますが、固定費は動きません。いちばん取り返しがつかない判断だと思っています。

まとめ

持ち帰ってほしいこと

1. 目安は売上の10%以内が理想、15%が上限(都心なら12〜15%)

2. 比率だけでは止まりません。売上を強気に置けば、上限も上がるから

3. だから席数で天井を出す。1席あたり月商60万円で計算する

4. 上限は満席で、下限は1名で。2本の物差しを持つ

5. 席が4つあっても、人がいなければその席は0円

6. 売上は動く。固定費は動かない。人が抜けても家賃は減らない

7. 1名でも利益が出る基盤を、まず作る

8. 比べるのは坪単価ではなく「毎月ほんとうに出ていく額」(年1回のものは月割り)

9. 安さは単独では手に入らない。広さか立地を渡すことになる

10. どちらかを渡すなら広さ。広さはあとから買い戻せる

「1名で回したときに払えるか」で見ると、私が見ていた物件は全部アウトでした。

それでいいんです。いま気づけたのが、いちばん安く済みます。

物件は、探せば出てきます。契約した家賃だけは、あとから探し直せません。

この記事の親にもどるまつげサロンの物件探し|1年で20件見て、最後に決めたこと

この記事は、私自身が2024年から2025年にかけて恵比寿で1店舗を開業し、運営してきた経験をもとに書いています。家賃の比率・坪単価の相場・1席あたりの売上は、エリア・メニュー・客単価によって大きく変わります。ここに書いた数字は目安であり、相場を示すものではありません。その街の相場は不動産会社に、社会保険の扱いは社会保険労務士に、資金計画は金融機関や税理士にご確認ください。私は不動産の専門家でも、税理士・社会保険労務士でもありません。

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阿部弘康

阿部 弘康

株式会社CALM TOKYO 代表取締役
恵比寿でまつげパーマ&眉毛アイブロウサロンを運営

美容業界18年。化粧品メーカーの営業、美容サロン専門の広告会社を経て、サロン専門のコンサルタントとして独立しました。集客に関する書籍を2冊出しています。
2025年、恵比寿に自分たちの店を開きました。技術は、表参道で17年やってきたアイリストの妻が。経営とマーケティングは私が見ています。人の店を見てきた側と、自分で開いた側。その両方から書いています。

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