検索語句のレポートを開いて、クリックを1件ずつ見ました。
中身が見えたのは、95クリックのうち37クリックだけです。残りはGoogleが開示しません。
その37クリックの64%が、他店のサロン名で検索した人でした。
しかも他店名24件は、24件とも「フレーズ一致」から。「完全一致」からは0件です。
9月19日、フレーズ一致19語を全部止めました。クリックは8割減ります。それが狙いです。
この記事の内容
うちのGoogle広告は、途中から引き継いだアカウントです。
管理画面を開くと、9日間でコンバージョン18件と出ていました。CPAは約480円、CVRは12%。ある広告グループではCVRが41%になっていました。
41%です。4人に1人以上が予約していることになります。そんなわけがありません。
調べると、こういうことでした。
予約ではなく、Googleビジネスプロフィール上での行動が数えられていました。経路検索やサイト訪問、メニュー閲覧といった動きです。それを、Googleが自動で「メインのコンバージョン」に設定していました。
自分で設定した覚えはありません。
そもそも、うちの広告の着地はホットペッパービューティーです。外部サイトなので計測用のタグが打てません。予約は構造的に数えられないのです。それなのに数字が出ていました。
管理画面に数字が出ていることと、それが予約であることは、別の話でした。
引き継いだ状態の30日間を見ると、費用は約18,000円。そのうち恵比寿・代官山などの地名で検索した人に使われていたのは、約440円。2.4%でした。
半分は地名の入っていない一般的な言葉、3割は別のエリアです。
8月9日に作り直しました。
| 変えたこと | 前 | 後 |
|---|---|---|
| 地域 | 東京都+半径15km | 恵比寿駅から半径5km |
| キャンペーン | 1本 | 3本に分割 |
| 日予算 | — | 悩み別600円/料金エリア400円/木金土200円 |
図表①:3本の設計
クリック数が4分の1になる前提で設計しました。狭めるのだから当然です。
着地は変えませんでした。自社サイトには予約機能がないので、送っても1クリック増えるだけです(→ Googleビジネスプロフィールから来た531回のうち、442回は「道」を見に来ていた)。
つまり、Google広告の管理画面では、コンバージョンが永久に0になります。それを先に受け入れました。
9月19日、料金エリアのキャンペーンについて、9月1日〜19日の検索語句レポートを開きました。
まず、先に正直に書いておきます。
| クリック | 費用 | |
|---|---|---|
| 中身が見える | 37 | 約3,100円 |
| 「その他の検索語句」(非開示) | 58 | 約5,100円 |
| 合計 | 95 | 約8,200円 |
図表②:見える分と見えない分
6割はGoogleが開示しません。何で検索した人か分かりません。この記事の数字は、すべて見えている37クリックの中の話です。
そのうえで、見えた37クリックの中身です。
| 分類 | クリック | 費用 | 比率 |
|---|---|---|---|
| 他店のサロン名 | 24 | 約1,950円 | 64% |
| 本命(エリア+メニュー) | 12 | 約990円 | 32% |
| マツエク(力を入れていない) | 1 | 約110円 | 4% |
図表③:見えた37クリックの中身
「恵比寿の眉毛サロンを探している人」に出したつもりが、他店を名前で探している人に出ていました。
同じレポートを、キーワードの設定(マッチタイプ)別に分けました。ここではっきりしました。
| 設定 | クリック | うち本命 |
|---|---|---|
| フレーズ一致 | 26 | 1 |
| 完全一致 | 11 | 11(全部) |
図表④:マッチタイプ別の内訳
他店名の24クリックは、24件ともフレーズ一致から来ていました。完全一致からは0件です。
同じ言葉で登録していても、設定が違うと拾うものが違います。並べるとこうなります。
| 登録した言葉 | フレーズ一致 | 完全一致 |
|---|---|---|
| まつげサロン 恵比寿 | 556表示/45クリック | 27表示/0クリック |
| 眉毛サロン 渋谷 | 295表示/19クリック | 26表示/1クリック |
| 眉毛サロン 恵比寿 | 174表示/8クリック | 49表示/4クリック |
図表⑤:同じ言葉でも、設定で拾うものが違う
フレーズ一致のほうが表示もクリックも多い。一見、こちらが働いているように見えます。中身を見るまでは。
理由は、Googleの仕組みそのものにあります。
Googleには「類似パターン」という仕組みがあって、意味が同じなら広げて拾います。
まつげサロン 恵比寿 をフレーズ一致で登録すると、Googleはこれを「恵比寿のまつげサロンを探している人」という意味として解釈します。
すると、他店の店名で検索した人も「恵比寿のまつげサロンを探している人」なので、同じ意味として扱われます。
この挙動は、設定でオフにできません。
「他店の名前を除外すればいい」と思いますよね。やりました。
設計したときに、検索語句レポートから他店名を拾って除外リストを作りました。配信3日目にも、7日目にも足しました。除外リストは304語まで増えています。
それでも止まりませんでした。
9月1日から19日までの19日間で、除外リストに1語も入っていない他店名が13店ぶん、新しく出てきました。そのうち9店でクリックが発生しています。
304語入れた状態で、です。
店の名前は無限に湧きます。追いかける側が必ず負けます。
2026年9月19日、料金エリアのフレーズ一致19語を、すべて一時停止しました。
完全一致の28語はそのまま残しました。
止めた19語の実績は、19日間で83クリック・約7,200円。キャンペーン全体の87%です。
つまり、クリックは8割以上減ります。
これは失敗ではありません。狙ってそうしています。
ここがいちばん間違えやすいところです。「クリックが減った=広告が弱くなった」と読むと、正しい変更を巻き戻すことになります。
減るのは、他店を探している人のクリックです。減って困るものではありません。
止めても本命は取りこぼしません。同じアカウントの中では、検索された言葉とぴったり一致するキーワードが優先されるからです。まつげサロン 恵比寿 は完全一致で既に登録してあります。
| 止めたキーワード(フレーズ一致) | 表示 | クリック | 費用 |
|---|---|---|---|
| まつげサロン 恵比寿 | 556 | 45 | 約3,700円 |
| 眉毛サロン 渋谷 | 295 | 19 | 約1,700円 |
| 眉毛サロン 恵比寿 | 174 | 8 | 約750円 |
| アイブロウ 恵比寿 | 78 | 5 | 約390円 |
| 眉毛サロン 中目黒 | 77 | 2 | 約210円 |
| まつげサロン 代官山 | 40 | 2 | 約170円 |
| アイブロウ 代官山 | 26 | 1 | 約150円 |
| まつパ 恵比寿 | 43 | 1 | 約85円 |
| 残り11語 | 84 | 0 | 0円 |
| 合計(19語) | 1,373 | 83 | 約7,200円 |
図表⑥:止めた主なキーワードと、その実績
変える前に、判定式を決めました。
ホットペッパーの「サロン情報PV」は減ってよい。「新規予約数」が減らなければ成功。
| 見る数字 | 変更前(9/1〜19) | 成功ライン |
|---|---|---|
| ホットペッパーの新規予約数 | 9月の確定値 | 同じ水準を維持 |
| ホットペッパーのサロン情報PV | 9月の確定値 | 減ってよい |
| 本命のクリック数 | 12 | 増えていれば◎ |
| 他店名の費用の割合 | 64% | 20%以下 |
| このキャンペーンの費用 | 約8,200円 | 2,000円以下 |
図表⑦:判定シート
変える前に決めておくのが大事です。あとから決めると、都合のいい数字を選んでしまいます。クリックが減ったあとに「クリック数で見よう」とは、誰も言い出しません。
この記事を書いている時点では、まだ結果が出ていません。止めたのは9月19日です。
10月3日に、上の表の数字を並べます。
ひとつ、この先で確かめたいことがあります。
このキャンペーンの上限クリック単価は300円に設定してありますが、実際に払っていた平均は86円でした。上限の3割弱です。それなのに、表示されなかった理由の約67%が「順位で負けた」でした。
上限が低くて負けているのではありません。上限まで払わないまま負けている状態です。ここをどうするかは、10月3日の数字を見てから決めます。
結果が出たら、この記事に追記します。落ちていたら、落ちたと書きます。
Google広告を触っている方は、まず検索語句レポートを開いて、クリックを1件ずつ見てください。数だけ見ていると、何にお金を払っているか分かりません。