検査は開設の1週間前まで。書類は12点、手数料は現金24,000円。
うちは4月15日に出して、4月25日に確認がおりました。
保健所って、お店ができてから行くものですよね?
違います。いちばん最初に行くところです。
私は平面図を持って、工事が始まる前に相談に行きました。これをやっておいて、本当によかったです。
1. 保健所は「事前相談」から。図面を持って、早めに行く
2. 検査は開設の1週間前まで。設備が整っていないと再検査になります
3. 確認がおりるまで、営業はできません。プレオープンも同じです
この記事は「うちの場合」の記録です。ここに書いてあるのは渋谷区の手引き(令和5年12月改訂)と、うちが実際に通った手順です。必要な書類・設備の基準・手数料は、自治体によって違います。手続きを始める前に、必ず所轄の保健所にご確認ください。
この記事の内容
渋谷区の手引きに、開設までの流れが載っています。これは開設日からの逆算で書かれています。
「確認を受けると開設できる」です。
逆に言うと、確認がおりるまでは営業できません。プレオープンも、モニター施術も、お金をいただく以上は同じです。
そのまま出します。
検査、怖くなかったですか?
怖かったです。ここで通らなければ、開けられませんから。
でも、指摘は入りませんでした。理由ははっきりしています。事前に図面を持って行って、確認してもらっていたからです。
検査は「答え合わせ」にするものです。「見てもらう場」にすると、たぶん間に合いません。
渋谷区の場合です。「本証提示・コピー不可」のものがあるのが、いちばんの注意点です。
金額も書類も、自治体によって違います。24,000円は渋谷区の場合です。まずは所轄の保健所の窓口か、その自治体の「理容所・美容所のてびき」を確認してください。多くの区市町村がWebで配布しています。
ここは物件を決める前に知っておくべきことです。あとから直せないものが混ざっています。
美容所の構造設備(渋谷区の手引きより・抜粋)
渋谷区の手引き(令和5年12月改訂)より。自治体によって異なります
最後の1つは、開業資金の記事で「シャンプー台も、給排水の工事も要りません」と書いた根拠です。ただし「相談してください」と書かれている項目です。勝手に省略しないでください。
「たたみ・ふすま・障子は適さない」——ここ、マンション型で開く人には効きます。
うちの部屋も、もとは和室でした。内装の記事で「襖を外して保管、敷居は既存のまま」と書きましたが、あれは保健所の基準とセットの判断です。
ここだけ、独立させて書きます。誤解されやすいところだからです。
固定したついたて/動かせない家具/壁や扉
固定していないついたて/カーテン/観葉植物
内装の記事で、うちは「仕切りを一部カーテンにした」と書きました。あれは作業室の中で、施術スペース同士を目隠ししたものです。
作業室と客待場所を分ける「区画」は、カーテンではできません。うちは上の図面のとおり、待合を壁で区切った別室にしています。
ここを間違えると、検査で止まります。そして、直すには工事が要ります。だから事前相談なんです。図面の段階なら、線を引き直すだけで済みます。
器具の記事で「必ず要るのは、保健所の審査に通るもの」と書きました。その中身がこれです。
「ふたつき」が、何度も出てきます。
おしゃれなオープン棚は、この用途では使えません。器具を選ぶ段階で知っておくと、買い直しが減ります。
管理美容師の講習会修了証が必要なのは、
理・美容師の従業者が2名以上の場合です。
つまり、1人で開くなら要りません。2人目が入った時点で必要になります。
ここが求人の記事とつながります。「何人で開けるか」を決めると、保健所に出す書類まで変わります。採用が決まってから慌てないよう、講習の日程は早めに調べておいてください。
うちは法人(株式会社)で開きました。そのため、開設届に登記事項証明書(発行6ヶ月以内)が必要でした。登記は司法書士さんにお願いしています。
そこで、ひとつ失敗しました。
先に自宅の住所で法人をつくり、あとから店舗の住所に変更しました。
この住所変更が、思った以上に手間でした。
いま思えば、店舗が決まってから登記しても、まったく問題なかったと思っています。
事業計画書の記事で「個人か法人かは、いちばん最初に決める」と書きました。これは変わりません。
でも「決める」と「登記する」は、別です。決めるのは最初。登記のタイミングは、物件が決まってからでいいという話です。
最後に、お金まわりのことを少しだけ。中身の話はしません。私は税理士でも社労士でもないので、そこは書けません。
書けるのは、頼むかどうかについての、私の考えだけです。
1年は、自分でやってみることをおすすめします。
どれだけ大変か分かってから頼むと、頼み方が変わります。何をお願いしているのかが分かるからです。
ただし、ソフトは最初から入れていいと思っています。
うちは個人事業のときから使っていた会計ソフトを、法人でもそのまま使っています。顧問の税理士さんとのやり取りも、同じソフト上でしています。同じものを続けられたのは、結果的にとても楽でした。
これは私の考えであって、正解ではありません。税務・労務の具体的な判断は、税理士・社会保険労務士にご相談ください。この連載では、そこには踏み込みません。
保健所には、いつ行けばいいですか?
いちばん最初です。渋谷区の手引きでは事前相談が「開設の3週間前まで」ですが、私は工事が始まる前に、平面図を持って行きました。図面の段階なら、直すのは線を引き直すだけで済みます。
検査に落ちることはありますか?
あります。手引きにも「施設が完成していない・設備が整っていない場合は再検査となり、開設できない場合がある」と書かれています。だからこそ事前相談です。検査は答え合わせにしてください。
確認がおりる前に、プレオープンしてもいいですか?
できません。確認を受けてはじめて開設できます。うちは4月25日に確認がおりて、5月1日からプレオープンしました。順番は守ってください。
まつげサロンでも、シャンプー台は要りますか?
洗髪設備は流水式が原則ですが、施術内容によって省略できる場合があります(省略する場合は誓約書が必要です)。自己判断せず、所轄の保健所に相談してください。
待合をカーテンで仕切ってもいいですか?
区画には使えません。渋谷区の手引きでは、区画に適するのは「固定したついたて・動かせない家具・壁や扉」、適さないのは「固定していないついたて・カーテン・観葉植物」とされています。
管理美容師は、1人で開くときも必要ですか?
渋谷区の手引きでは「理・美容師の従業者が2名以上の場合」とされています。1人なら要りません。ただし自治体によって扱いが違うことがあるので、確認してください。
1. 保健所は、いちばん最初に行く。図面を持って
2. 逆算は相談3週間前/提出2週間前/検査1週間前
3. 確認がおりるまで営業できない。プレオープンも同じ
4. 免許証と講習修了証は「本証提示」。コピー不可
5. 診断書は3ヶ月以内。採用が決まったら早めに案内する
6. 手数料は現金(渋谷区は24,000円)
7. カーテンは「区画」にならない
8. 消毒設備は「ふたつき」が何度も出てくる
9. 管理美容師は、従業者2名以上から
10. 個人か法人かは最初に決める。でも登記は物件が決まってから
これで、9つ全部ですね。
……なんだか、やっとスタートラインに立った気がします。
そのとおりなんです。
独立開業は、あくまでスタートです。
そして正直に言うと、開業してからのほうが、楽しいし、大変です。
9つのステップは、その入口まで連れて行くための地図でした。ここから先は、あなたのお店の話になります。
9本、ここまで
読んでくださってありがとうございました
迷っているところがあれば、30分の無料相談をやっています。
まずは「いま、どこで止まっているか」を聞かせてください。
そこから、お役に立てそうなことをお話しします。
この記事は、私自身が2025年に東京都渋谷区で美容所(まつげサロン)を開設したときの記録と、渋谷区保健所が配布している「理容所・美容所のてびき」(令和5年12月13日改訂)をもとに書いています。必要な書類・構造設備の基準・検査手数料・管理美容師の要否は、自治体によって異なります。また、制度は改正されることがあります。実際の手続きにあたっては、必ず所轄の保健所にご確認ください。税務・労務に関する個別の判断については、税理士・社会保険労務士にご相談ください。
