スタッフの目標を、「売上いくら」の1行では渡していません。
まず技術と店販に分け、技術を「空き時間」と「単価」に分けます。
そこから目標を3段にして、渡すのは最初の1段だけです。
いちばん上の数字だけを渡しても、明日から何をすればいいかが、分からないからです。
この記事の内容
今月の目標は◯万円です
この1行は、オーナーにとっては分かりやすい数字です。
でも、受け取ったスタッフは、こう思います。「それで、何をすればいいの?」
売上は、結果の数字です。お客様に「売上を上げさせてください」とは言えません。
言えるのは、「次はいつにしますか」「こちらも一緒にいかがですか」のほうです。
だから、目標を渡す前に、売上を、手が届くところまで分けることにしました。
最初に分けるのは、技術と店販です。
図表①:売上の目標を、行動まで分ける
技術と店販を分けるのは、やることが違うからです。
技術は、予約枠の話です。枠がどれだけ埋まり、1枠がいくらになったか。
店販は、おすすめの話です。どのお客様に、何を、どうお伝えしたか。
1つの数字にまとめてしまうと、どちらが動いたのかが見えません。
技術が伸びたのか、店販が伸びたのか。分けておくと、褒めるところも、直すところも、はっきりします。
技術の売上は、稼働率と単価のかけ算です。
そこで、縦に単価、横に稼働率を並べた表を作りました。
マスの中は、その組み合わせのときの売上です。
| 単価\稼働率 | いま | 少し上 | もう 少し上 | さらに上 |
|---|---|---|---|---|
| いまの単価 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 1段上 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 2段上 | ◯ | ◯ | ◯ | 届く |
| 3段上 | ◯ | ◯ | 届く | 届く |
図表②:稼働率と単価の表(形だけ。数字は伏せています)
※ 色のついたマスが、目標に届く組み合わせです。
この表を作って、分かったことがあります。
稼働率をいまのままにして、単価だけで目標に届かせようとすると、現実的でない単価になりました。
逆に、稼働率と単価を両方少しずつ上げると、届くマスが、いくつも出てきます。
「◯万円」と言われると遠く感じる数字も、表にすると、「このマスなら行けそう」が見つかります。
目標は、1つの数字ではなく、届く組み合わせとして見せることにしました。
稼働率の出し方は、数字の記事に書きました(→ 稼働率の計算は、施術時間 ÷(施術時間+空き時間)。出してみたら、空き時間にやることが決まっていなかった)。
届くマスが見えても、そこまで一気には行けません。
途中に、段を置きます。
| 段 | やること |
|---|---|
| 1段目 | 次回予約を、セットのメニューでいただく。まずは月に数件から |
| 2段目 | セットの割合を上げる。オプションもご提案する |
| 3段目 | ご指名の割合を上げる。初回向けの割引で来られる方の割合を下げる |
図表③:目標の3段
3段を作ったうえで、スタッフに渡すのは、1段目だけです。
3段ぜんぶを目標として渡すと、いちばん遠い3段目ばかりが目に入ります。そして「無理だ」になります。
1段目は、やることが1つです。そして、やれば届く高さにしてあります。
届いたら、次の段を渡します。
単価の話は、言い方を決めています。
「単価を上げてください」とは、言いません。
単価が低く見える月には、理由があります。初めてのお客様が多い月は、初回向けの価格の方が増えるので、平均は下がります。
それは、新しいお客様が来てくださっている、ということでもあります。
だから、順番をこう話します。
次回予約が入る
→ 予約枠が、先に埋まる
→ 稼働率が上がる
→ 2回目以降の方が増えて、単価も上がる
単価は、上げるものではなく、結果として上がるもの。
お願いするのは、いちばん上の1行だけです。
目標は、紙で配って終わりにしません。
会議で、表を一緒に見ながら決めます。
オーナーが1人で決めた数字は、「言われた数字」です。
表を見て、「このマスなら」と本人が言った数字は、「自分で決めた数字」になります。
決めるのは、次の会議までの目標です。うちは、3か月ごとに見直しています。
そして、数字と一緒に、本人がやることと、お店がやることを分けて書きます。
集計や分析は、お店の側の仕事です。スタッフにお願いするのは、お客様の前でやることだけにしています。
この記事で使っている道具
面談シートスタッフ面談で使う面談シートを、準備しています。