1年後の売上は、当てにいきません。いまのやり方を続けたら、どうなるか。その線を1本引くだけにしています。
成長率はかけません。かけた瞬間に、予測が願望になるからです。
もう1つ決めているのは、体制が変わった月より前の数字を使わないことです。
うちは、12か月の平均で出したら、いまの実態より約1割高く出ました。
この記事の内容
来年の売上は、いくらになりますか
聞かれると、答えたくなります。
でも、1年後の売上を当てるのは、無理です。新しいスタッフが入るかもしれない。辞めるかもしれない。広告が止まるかもしれない。うちは実際に、広告が止まりました(→ インスタ広告のアカウントが制限されて113日。審査リクエストのボタンは、押せるのに入力欄が出ない)。
だから、問いを変えました。
「いまのやり方を、何も変えずに1年続けたら、どうなるか」
これなら、計算できます。
そして、この線が1本あると、何かを変えたときに、どれだけ動いたかが見えるようになります。
出し方は、こうです。
このままの1年後 = いまの月平均(季節の波をならしたもの)
拍子抜けするかもしれません。このままなら、1年後もこのまま。それが正しい答えです。
大事なのは、その「いまの月平均」の中身を、分けて見ることです。
| 分けたもの | 出し方 | 1年後を変えるには |
|---|---|---|
| 新しく来られる方 | 毎月の新規の数 | 集客 |
| 通ってくださっている方 | (技術客数 − 新規)× 来店周期 ÷ 30.4 | 来店周期を縮める・リピートを増やす |
| 1回あたりの金額 | 技術売上 ÷ 技術客数 | セットのメニュー・指名 |
図表①:「いまの月平均」を分けて見る
※ 30.4日は、1年365日を12か月で割った、1か月の平均の日数です
真ん中の行は、少し分かりにくいので、例で見ます。
例:技術客数 130人 / 新規 30人 / 来店周期 43日
(130 − 30)× 43 ÷ 30.4 = 約141人
毎月100回のリピートの来店を、43日おきに来てくださる、約141人のお客様が支えている、という意味です。
この141人が減らなければ、来月も、1年後も、同じだけ来てくださいます。
※ 例の客数は、計算を見せるための数字です。うちの実際の数字ではありません
売上の予測でよく見るのが、「前年比◯%で伸びているから、来年も◯%伸びる」という出し方です。
うちは、成長率を一切かけません。
理由は2つです。
「このまま」の線を引いておけば、そこから上に出た分が、変えたことの効果です。
線を引くのは、伸びを予想するためではなく、伸びを測るためです。
「いまの月平均」は、ふつう、直近12か月で出します。1年分あれば、季節の波もならせるからです。
ところが、うちの店で出してみると、おかしなことが起きました。
直近12か月の平均が、直近3か月の平均より、約1割高く出たのです。
理由は、働いている人数でした。
12か月のうち、前半と後半で、体制が変わっていました。前半は、いまより多い人数で回していた時期です。
12か月の平均は、体制の違う2つの時期の、まん中になっていました。
いまの体制で「このまま続けたら」を出したいのに、いまより人数が多かった時期の数字が混ざっていたのです。
この数字のまま「このままの1年後」を出すと、毎月、実態より1割高い目標を見ることになります。
届かない目標を毎月見るのは、オーナーにもスタッフにも、よくありません。
そこで、基準にする期間を、自分で決めることにしました。
体制が変わった月から後の数字だけを使って、「いまの月平均」を出します。
それより前の数字は、推移を見るためには残しますが、1年後の計算には使いません。
体制が変わったかどうかは、自分では気づきにくいことがあります。目安を1つ決めています。
| 見るもの | 目安 | そのときにやること |
|---|---|---|
| 直近3か月の平均客数と、直近12か月の平均客数 | 25%以上ずれている | 体制が変わった月がないか、確かめる |
| 体制が変わった月がある | — | その月から後の数字だけで、月平均を出し直す |
図表②:基準の期間を見直す目安
スタッフが入った、辞めた、出勤日が大きく変わった。
こういう月があったら、その前と後は、別のお店として見たほうが、数字が合います。
ちなみに、開業して1年たっていないお店は、ほぼかならず、この状態です。
「このままの1年後」は、それだけ見ても、何も起きません。
使い道は、面談と会議です。
「このままだと、1年後もこの数字です」
「来店周期が43日から40日になると、ここまで動きます」
「では、次の3か月で何を変えますか」
線が1本あると、話が「がんばります」ではなく、「何を変えるか」になります。
うちの面談は、先に実績を認めて、課題を2つに絞る形でやっています(→ スタッフ面談は、先に実績を認めてから。課題は2つに絞り、本人がやることも2つだけにした)。
その課題を選ぶときの材料に、この延長線を使っています。
この計算を、毎月の数字を入れるだけで出せるものも作っています。それは、できあがったらご紹介します。
この記事で使っている道具
シミュレーターサロンの数字から「このままの1年後」を出すシミュレーターを、準備しています。