CATEGORY 04数字

売上予測は「このままの1年後」から。
成長率はかけず、体制が変わった月より前の数字は使わない

1年後へのびる線を引いたグラフのイラスト
先に結論

1年後の売上は、当てにいきません。いまのやり方を続けたら、どうなるか。その線を1本引くだけにしています。

成長率はかけません。かけた瞬間に、予測が願望になるからです。

もう1つ決めているのは、体制が変わった月より前の数字を使わないことです。

うちは、12か月の平均で出したら、いまの実態より約1割高く出ました。

この記事の内容

  1. 「1年後いくら」は、当てにいかない
  2. 「このままの1年後」の出し方
  3. 成長率をかけない理由
  4. 12か月の平均が、約1割高く出た
  5. 基準にする期間を、自分で決める
  6. 延長線は、面談と会議の材料にする

1. 「1年後いくら」は、当てにいかない

来年の売上は、いくらになりますか

聞かれると、答えたくなります。
でも、1年後の売上を当てるのは、無理です。新しいスタッフが入るかもしれない。辞めるかもしれない。広告が止まるかもしれない。うちは実際に、広告が止まりました(→ インスタ広告のアカウントが制限されて113日。審査リクエストのボタンは、押せるのに入力欄が出ない)。

だから、問いを変えました。

「いまのやり方を、何も変えずに1年続けたら、どうなるか」

これなら、計算できます。
そして、この線が1本あると、何かを変えたときに、どれだけ動いたかが見えるようになります。

2. 「このままの1年後」の出し方

出し方は、こうです。

このままの1年後 = いまの月平均(季節の波をならしたもの)

拍子抜けするかもしれません。このままなら、1年後もこのまま。それが正しい答えです。

大事なのは、その「いまの月平均」の中身を、分けて見ることです。

分けたもの出し方1年後を変えるには
新しく来られる方毎月の新規の数集客
通ってくださっている方(技術客数 − 新規)× 来店周期 ÷ 30.4来店周期を縮める・リピートを増やす
1回あたりの金額技術売上 ÷ 技術客数セットのメニュー・指名

図表①:「いまの月平均」を分けて見る
※ 30.4日は、1年365日を12か月で割った、1か月の平均の日数です

真ん中の行は、少し分かりにくいので、例で見ます。

例:技術客数 130人 / 新規 30人 / 来店周期 43日

(130 − 30)× 43 ÷ 30.4 = 約141人

毎月100回のリピートの来店を、43日おきに来てくださる、約141人のお客様が支えている、という意味です。
この141人が減らなければ、来月も、1年後も、同じだけ来てくださいます。

※ 例の客数は、計算を見せるための数字です。うちの実際の数字ではありません

3. 成長率をかけない理由

売上の予測でよく見るのが、「前年比◯%で伸びているから、来年も◯%伸びる」という出し方です。

うちは、成長率を一切かけません。

理由は2つです。

1
かけた瞬間に、予測が願望になる「◯%伸びる」の根拠を聞かれると、答えられないことがほとんどです
2
何が効いたのか、分からなくなる最初から伸びる前提にしておくと、伸びたときに、何をしたから伸びたのかが見えません

「このまま」の線を引いておけば、そこから上に出た分が、変えたことの効果です。
線を引くのは、伸びを予想するためではなく、伸びを測るためです。

4. 12か月の平均が、約1割高く出た

「いまの月平均」は、ふつう、直近12か月で出します。1年分あれば、季節の波もならせるからです。

ところが、うちの店で出してみると、おかしなことが起きました。

直近12か月の平均が、直近3か月の平均より、約1割高く出たのです。

理由は、働いている人数でした。
12か月のうち、前半と後半で、体制が変わっていました。前半は、いまより多い人数で回していた時期です。

12か月の平均は、体制の違う2つの時期の、まん中になっていました。
いまの体制で「このまま続けたら」を出したいのに、いまより人数が多かった時期の数字が混ざっていたのです。

この数字のまま「このままの1年後」を出すと、毎月、実態より1割高い目標を見ることになります。
届かない目標を毎月見るのは、オーナーにもスタッフにも、よくありません。

5. 基準にする期間を、自分で決める

そこで、基準にする期間を、自分で決めることにしました。

体制が変わった月から後の数字だけを使って、「いまの月平均」を出します。
それより前の数字は、推移を見るためには残しますが、1年後の計算には使いません。

体制が変わったかどうかは、自分では気づきにくいことがあります。目安を1つ決めています。

見るもの目安そのときにやること
直近3か月の平均客数と、直近12か月の平均客数25%以上ずれている体制が変わった月がないか、確かめる
体制が変わった月がある—その月から後の数字だけで、月平均を出し直す

図表②:基準の期間を見直す目安

スタッフが入った、辞めた、出勤日が大きく変わった。
こういう月があったら、その前と後は、別のお店として見たほうが、数字が合います。

ちなみに、開業して1年たっていないお店は、ほぼかならず、この状態です。

6. 延長線は、面談と会議の材料にする

「このままの1年後」は、それだけ見ても、何も起きません。
使い道は、面談と会議です。

「このままだと、1年後もこの数字です」

「来店周期が43日から40日になると、ここまで動きます」

「では、次の3か月で何を変えますか」

線が1本あると、話が「がんばります」ではなく、「何を変えるか」になります。

うちの面談は、先に実績を認めて、課題を2つに絞る形でやっています(→ スタッフ面談は、先に実績を認めてから。課題は2つに絞り、本人がやることも2つだけにした)。
その課題を選ぶときの材料に、この延長線を使っています。

この計算を、毎月の数字を入れるだけで出せるものも作っています。それは、できあがったらご紹介します。

現在の状態

阿部弘康

阿部 弘康

株式会社CALM TOKYO 代表取締役|恵比寿でまつげパーマ・眉毛サロンを運営
サロン集客ヘルパー(個人事業)|美容サロン専門のコンサルタント

恵比寿でまつ毛・眉毛サロンを運営しています。この記事の数字は、すべて自店のものです。計算を見せるための例には、その旨を書いています。
費用は丸めています。出典が言えない数字は書いていません。

この記事で使っている道具

シミュレーター

サロンの数字から「このままの1年後」を出すシミュレーターを、準備しています。