うちは、少人数のお店です。育成のための特別な仕組みは、ありません。
あるのは、毎月の文面と、3か月ごとの面談と会議。それを、同じ数字でつないでいるだけです。
やってみて決めたことを、6つにまとめます。
6つに共通していたのは、主語を「あなた」から「店として」に変えることでした。
うちの育成は、3つの間隔でできています。
| 間隔 | やっていること |
|---|---|
| 毎日 | お会計のときに、次回予約のご案内を出す |
| 毎月 | 結果を、スタッフ全員のLINEに1通で送る。戻られていないお客様のリストを、担当ごとに1枚で渡す |
| 3か月ごと | 面談をする。会議をする。目標を見直す |
図表①:育成の回し方
大事なのは、3つが同じ数字でつながっていることです。
毎日の声かけが、毎月の文面の数字になります。
毎月の数字が、3か月ごとの面談と会議の材料になります。
会議で決めたことが、次の日からの声かけになります。
どれか1つだけをやっても、回りません。小さく3つをつなぐほうが、続きました。
それぞれ、くわしく書いた記事があります。
| 決めたこと | ひとことで | |
|---|---|---|
| 1 | 毎月の結果は、文面で送る | 褒めが8割、提案が2割。提案は1つだけ |
| 2 | リストは、担当ごとに1枚 | 連絡のチェック欄は入れない。見るのは1か所 |
| 3 | 目標は、分けてから渡す | 技術と店販に分ける。渡すのは3段のうち1段目 |
| 4 | 面談は、認めるところから | 課題は2つ。本人がやることも2つ |
| 5 | 会議は、終了条件から | 60分。最後に「誰が・いつまでに・何を」 |
| 6 | 次回予約は、店として決める | お会計のとき、全員に。取れなくてもよい |
図表②:スタッフ育成で決めた6つのこと
1|毎月の結果は、文面で送る
数字は、口で言うと指摘に聞こえます。毎月1通、同じ形の文面にしました。
→ スタッフ育成は、毎月のLINE1通から。褒め8割・提案2割で、提案は1つだけにしている
2|リストは、担当ごとに1枚
戻られていないお客様のリストを、「連絡しなさい」の紙にしないために、紙の形から決めました。
→ 失客リストは、担当ごとに1枚で渡す。連絡のチェック欄は入れず、見るのは次回予約の有無だけ
3|目標は、分けてから渡す
「売上いくら」だけでは、明日から何をすればいいか分かりません。手が届くところまで、分けました。
→ 売上目標の立て方は、技術と店販を分けるところから。スタッフに渡すのは、3段のうち最初の1段だけ
4|面談は、認めるところから
できていないことを並べると、面談は反省会になります。話す順番と、話す数を決めました。
→ スタッフ面談は、先に実績を認めてから。課題は2つに絞り、本人がやることも2つだけにした
5|会議は、終了条件から
集まって、数字を見て、終わる。それをやめて、最初に「何が決まれば終わりか」を決めています。
→ 会議の進め方は、最初の5分で決まる。「終了条件」を先に決めて、60分で担当と期限まで決める
6|次回予約は、店として決める
スタッフ1人ひとりのがんばりに任せず、いつ・何を・誰に、を店の決まりにしました。
→ 美容室・サロンの次回予約は、お会計のときに出す。声をかけるのは全員、取れなくてもよいと決めた
6つを並べてみて、気づいたことがあります。
どれも、主語を変えた話でした。
| 前の言い方 | いまの言い方 |
|---|---|
| あなたは、次回予約が少ない | 店として、お会計のときにご案内を出す |
| このリストの方に、連絡してください | 連絡は不要です。次回予約が入っていた方を、見てみてください |
| 売上を、あと◯万円上げてください | この1段目を、一緒にやりましょう |
| できていないことが、5つあります | 課題は、この2つです |
左の言い方は、まちがっていません。数字としては、そのとおりです。
でも、言われた人は、動けません。
右は、やることが小さく、主語がお店です。
育成というと、スタッフを変える話に聞こえます。
やってみて分かったのは、先に変えるのは、オーナーの言い方と、渡すものの形だということでした。
もう1つ、共通していたことがあります。数を絞ることです。
提案は1つ。見るところは1か所。課題は2つ。やることは2つ。
少人数のお店は、1人が受け取る量が多くなりがちです。絞ることが、いちばんの気づかいでした。
正直に書いておきます。
この回し方を始めて、まだ数か月です。「これでスタッフが育ちました」と言える結果は、まだ出ていません。
できていないことも、あります。
面談で見る数字を、4つにそろえること(そろえている途中です)
次回予約の結果を、数字でお見せすること(たまったら、書き足します)
このページは、「うまくいった育て方」のまとめではありません。
「いま、こう回しています」のまとめです。
6つを一度にやる必要はありません。
最初にやるなら、1です。毎月の結果を、文面で送ること。
お金がかかりません。会議の日程を合わせる必要もありません。
そして、文面を書こうとすると、オーナー自身が、数字を毎月かならず見ることになります。
「よかったところを、数字で1つ書く」。
これを毎月つづけるだけで、スタッフを見る目が変わります。ほかの5つは、そのあとで、順番に見えてきます。
この記事で使っている道具
面談シートスタッフ面談で使う面談シートを、準備しています。